整った緑色の葉の下で、何かぶら下がっているものが見えています。 この樹木、「これは何かな?」 名前を知りませんでしたが、カバノキ科のイヌシデ(犬四手)というそうです。 「犬」は、植物の場合、余り有用ではない種に付く接頭語みたいなものかな。 問題は「四手」ですが、これって全く分かりませんね。 調べてみると「玉串や注連縄(しめなわ)などに下げる紙」だそうです。 ははぁ、祭りの時に縄にぶら下がっている、和紙で作ったヒラヒラですね。 なるほど、とてもよく似ています。 そのぶら下がっているものは「果穂」と呼ばれる花序に準じたものです。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Carpinus tschonoskii" ● 原産 : 日本、中国 ● 分類 : カバノキ科クマシデ属 最初は松ぼっくりに似ている果穂が伸長して、徐々に垂れ下がります。 果穂の柄の先には、葉に似た多くの「果苞」と呼ばれるものが展開します。 そして、この果苞に二つずつの種子ができるのだそうです。 大木にはなりませんが、どちらかと言うとヒョロっと育つ方の樹木ですね。 イヌシデを主体とした落葉樹林が、それほど珍しくなく見受けられます。 実は葉が白い毛にびっしり覆われていて、比較的分かりやすいんですよ。 頭に「犬」が付く割には木材として有用らしく、好んで植樹されるようです。 堅くて弾力があるので、工具、例えば、スコップ等の柄に使用されるとか。 知られたところでは、薪炭の材料、椎茸のほだ木に使われるんですね。