宮崎のすみれ
 鹿児島県を巡って見て、やはり宮崎県も歩いてみたいなぁと思うようになりました。できれば、早い段階で時間をかけて歩いてみたいと思っています。ただ、その旅で出逢いたいすみれの一つであるヒュウガスミレが、この書籍には登場してきません。
 この書籍の編纂にあたって参考にした書籍として、竹内亮先生WHO!の「九州のスミレ」が何度も登場します。残念ながら、まだ拝見していないので、なんとか探しだしたいと強く思うようになりました。
(2009/08/30)

 参考資料A) 「宮崎県植物誌」には個体数に関する記述がありましたので、少し編集して書き込んでみました。因みに「稍」は「やや」と読みます。
 自生していないをゼロ(0:)として、1:極稀、2:稀、3:稍稀、4:稍普通、5:普通、6:極普通に区分されたことになります。各地の自生特徴が分かりやすくて、おもしろいですね。
(2011/03/22)

 宮崎県を訪ねて、やっと自生確認情報を書き込むことができました。ただ、残念ながら、これまでの気温が低く、雨が極端に少ないという困った気象状況に、すみれたちの育ちが十分ではないと感じました。乾燥に強い一部の種だけが芽を出していたという状況だったのだろうと考えています。まぁ、お天気だけは仕方がありません。
(2011/04/08)


スミレ ヒュウガスミレ ナガバノタチツボスミレ ニョイスミレ
種(無茎) 品種または変種 個体数 参考資料 補足
アカネスミレ 4:稍普通 A) B)
オカスミレ 3:稍稀 A) B)
アリアケスミレ 2:稀 A) B)
エイザンスミレ 3:稍稀 A) B)
シロバナエゾスミレ B)
コスミレ 6:極普通 A) B)
コミヤマスミレ 5:普通 A) B)
ヒュウガスミレ コミヤマスミレの型として扱う
サクラスミレ 1:極稀 A)
シコクスミレ 3:稍稀 A)
シハイスミレ 1:極稀 A)
(シロスミレ)ホソバシロスミレ 1:極稀 A) (シロバナスミレと記載)
スミレ 5:普通 A) B)
アツバスミレ A) B)
ホコバスミレ 1:極稀 A)
ナガバノスミレサイシン 2:稀 A)
ナンザンスミレヒゴスミレ 3:稍稀 A) B)
ノジスミレ 5:普通 A) B) ケナシノジスミレ
ヒカゲスミレ 1:極稀 A) B)
ヒメスミレ 2:稀 A)
ヒメミヤマスミレ 5:普通 A) B)
フイリヒメミヤマスミレ A) B)
フジスミレヒナスミレ 1:極稀 A)
フモトスミレ 4:稍普通 A) B)
フイリフモトスミレ B)
マルバスミレ 4:稍普通 A) B) (ケマルバスミレと記載)
種(有茎) 品種または変種 参考資料 補足
アオイスミレ 3:稍稀 A)
キスミレ 1:極稀 A)
タチスミレ
タチツボスミレ 6:極普通 A) B)
コタチツボスミレ 4:稍普通 A) B)
ツヤスミレ 3:稍稀 A)
ナガバノタチツボスミレ 3:稍稀 A) ケナガバノタチツボスミレ
ニオイタチツボスミレ 4:稍普通 A) B)
ニョイスミレ 5:普通 A) B) (ツボスミレと記載)
アギスミレ 2:稀 A)
ヒメアギスミレ 2:稀 A) B)
種(自然交雑) 参考資料 補足
タナオスミレ B) フモトスミレ x ヒゴスミレ
スルガキクバスミレ B) フモトスミレ x エイザンスミレ
種(自然交雑 無名) 個体数 参考資料 補足
B) ヒメミヤマスミレ x ヒゴスミレ
B) ヒメミヤマスミレ x エイザンスミレ
B) フモトスミレ x ヒメミヤマスミレ

書籍上、表現が不確かな種に関しては除外し、変種や品種については主要なもののみを選びました 〇=自生確認

記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
A) 宮崎県植物誌1984 平田正一 宮崎日日新聞社 1984年8月20日
B) 宮崎県児湯郡におけるスミレ類の分布について 戸田義宏、竹内剛、原田重雄 南九州大学園芸学部(研究報告) 1977年3月25日

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 宮崎市の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について

 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。

 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。

 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、明らかに編者各位にも歴史に対しても失礼な態度ではないでしょうか。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。


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 (2009/08/30) Latest Update 2024/04/14 [110KB]

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