コミヤマスミレ (小深山菫)
コミヤマスミレ
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
茨城県 2022年5月11日 alt.=500m

コミヤマスミレ コミヤマスミレ
コミヤマスミレ
東京都八王子市 2006年5月15日 alt.=265m
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
東京都八王子市 2002年4月28日
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
東京都八王子市 2003年5月18日
分類 ミヤマスミレ類 --> ツクシスミレ類(DNA解析により判明、後述
学名 基本種 コミヤマスミレ Viola maximowicziana Makino Published in: B. M. T. 16: 128 (1902)
変種
品種 アカコミヤマスミレ Viola maximowicziana f. rubescens Makino
フイリミヤマスミレ Viola maximowicziana sp.
異名
由来 Viola maximowicziana : 人名に由来 K. J. Maxim., 1827-1891 ロシア植物学者
外語一般名
茎の形態 無茎種 --> 有茎種 ?(現状、当サイト内では無茎種の範疇で扱っています)
生育環境 湿度の高い林下(沢沿い、湧き水のある林縁)。半日陰。関東では生育地の日照は極めて少ない。
分布 国内 主に関東以西で見られる。
海外
補足 日本特産(固有種)との情報がある。
花の特徴 形状 小型。側弁の基部に毛がある。全体に横長(幅広)。
白色。小さめの唇弁に紫条が明確に入る。
袋状で、太くて短い。
花期 極めて遅い(5月)。
花柱
芳香
補足 花弁、萼片が反り返る。白く長い毛が見られる。
葉の特徴 形状 長い卵形または心形。花期に速く伸張する。
変化が多い。表は深緑色(葉脈HELP!に赤斑、時に白斑が見られる)、裏は紫色。
補足 白くて長めの毛がまばらに(時に密に)見られる。粗い鋸歯HELP!が見られる。
種の特徴 形状 小粒。すみれの種子としては丸みがある。
淡い茶褐色。
補足 果実は黒褐色で小さく、表面に白くて長い毛が生える。
根の特徴 地下茎、根から不定芽を出して増えるため、群生することがある。
絶滅危惧情報 千葉県:絶滅危惧Ⅰ類、埼玉県:絶滅危惧Ⅰ類、東京都:絶滅危惧Ⅱ類、山梨県:絶滅危惧Ⅰ類、長野県:絶滅危惧Ⅰ類、京都府:絶滅危惧Ⅱ類、兵庫県:準絶滅危惧種、山口県:絶滅危惧Ⅱ類
基準標本 横倉山、筑波山、高尾山、天城山
染色体数 2n=24
参考情報 鹿児島県本土におけるスミレ類の自生状況日高純藏、立久井昭雄(鹿児島県立博物館研究報告)
その他 萼片に特徴があり、有毛で、大きく反り返っている。

コミヤマスミレ コミヤマスミレ
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
東京都八王子市 2007年5月12日
コミヤマスミレ
東京都八王子市 2009年4月26日
 東京都下にあり、多くのすみれが咲くことで知られる高尾山。関東に住むすみれ好きさんは何度か出掛けたことがあるでしょう。それでも、このコミヤマスミレの花を見たことがない、気が付かなかったという方が少なくないと思います。どうしたことでしょうか。
 このすみれが、遅い時期に、比較的暗い山道で咲き出すためかも知れません。地味な色の葉は全く目立たず、既に周りの草たちが覆い隠すように草丈を伸ばしているのです。往々にして気付かないまま通り過ぎて、目が慣れた戻り道で初めて目に入ったという話が納得できてしまいます。

コミヤマスミレ
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
コミヤマスミレ コミヤマスミレ
コミヤマスミレ
斑入り種 愛媛県 2009年5月10日 alt.=1,100m


フイリコミヤマスミレ
淡い茶褐色のはずが、黒胡麻のような色ですね(笑)

 信用できると考えているサイトで、長崎県にコミヤマスミレが自生しているという情報が写真付きで紹介されている。特に発見というようなことではなく、当たり前に咲きますよ、ということだ。一応、「一般情報」として掲載した上で、なんとか自分で確認したいと思うが、簡単ではないかも知れない。
2007/02/10

 同じ観察ポイントを何度か訪問することは大事なことだと思います。微妙な時期の違いに助けられて、新たに発見できる事項があるかも知れません。それから、年によって咲き始めの時期が変化することもありますね。今年は、実際に出掛けてみたイメージでは平均の範囲内だと思われます。これまで、曇天の夕方に到着するというパターンが多くて、なんとか晴天の昼に着きたいとコミヤマスミレをめがけて一直線(笑)。たくさんの花が咲いていて嬉しくなりました。
2007/05/15

 分布地図の千葉県に「書籍情報」をマークしました。千葉県生物学会の編纂による「千葉県 植物ハンドブック」の記載によるものです。2003年に「重要保護生物」に指定されました。当該自生地に思い当たる節がありますので、できれば、実際に確認してみたいと思うのですが難しいかも知れませんね。
2008/01/17

 分布地図の鹿児島県に「書籍情報」をマークしました。鹿児島県立博物館研究報告書「鹿児島県本土におけるスミレ類の自生状況」の記載および植物レッドデータブック情報によるものです。県内数ヶ所には分布していることが確認された訳ですが、自生できるような環境が多いということでしょうか。
 また、植物レッドデータブック情報により、埼玉県、山梨県、長野県、山口県に「絶滅危惧」をマークしました。自生記録があるけれども、絶滅が危惧されるという情報になります。
2008/01/23

 基準標本HELP!の採集地であることから、分布地図の静岡県に「書籍情報」をマークしました。
2009/09/03

 長崎県にコミヤマスミレが自生しているという情報について記載しましたが、対馬にも自生するようですので、補足を記録しておきます。
2010/11/12


 レッドデータプランツとしてヒュウガスミレ(南谷新称)という表現が見られます。このすみれには3通りの意見がありますので、紹介しておきます。最初はコミヤマスミレとニョイスミレの雑種とする説、二番目はコミヤマスミレの一形態で紫色の色素が少ないものとする説、そして宮崎県の固有種、つまり独立種とみる説です。
2010/09/25


アカコミヤマスミレ アカコミヤマスミレ
アカコミヤマスミレ 東京都 2012年4月7日 植栽
 展示会でアカコミヤマスミレと明示された栽培品を拝見しました。葉表面の赤みは薄いですね。自然環境ではないので、元来の色合いが出ていないのかも知れません。こうした微妙な色の出方は環境に左右される面が強いと思っています。因みに、「武州高尾山の植物」に記載されており、そういう目で見ると、高尾山のコミヤマスミレは葉に赤斑がありますね。では、四国や九州のコミヤマスミレはどうかというと、やはり、赤斑が入っているものも少なくありません。
 もう少し歩いて観察したいと思うのですが、コミヤマスミレの葉の変化はとても多様です。生真面目に名前を付けて分けてしまったら、大変なことになるのかも知れませんね。
2012/04/16


- viewpoint -  2020年の神戸新聞に『全国の生徒が生命科学の研究成果を競う「高校生バイオサミットin鶴岡」で、小野高校(兵庫県小野市西本町)の生物部員5人がスミレのDNA解析によって従来の分類定説を覆し、上位5校に授与される環境大臣賞を受けた』という記事が掲載されました。
 生育環境に大きな違いがあるミヤマスミレとコミヤマスミレが仲間に分類されていたことに疑問を持って調査したのだそうです。その結果を具体的に引用しますと『~その結果、コミヤマスミレが実は薄暗い場所を好む「ツクシスミレ」の仲間であることが分かった』とありました。無茎種から有茎種への変更ですか。コミヤマスミレが有茎種、それとも…?
 まぁ、これに対応して、当サイトの記載も少しずつ変更していくことにしますが、少し困惑しています。
コミヤマスミレの謎を追う 分子系統解析を用いたミヤマスミレ亜節の分類 -コミヤマスミレの謎を追う-
2020/12/16

 小野高校に関連する記事中で、奇異に感じたことも記載しておきます。産経新聞の記事には『DNA解析に基づく研究成果は「過去のスミレの分類では例がなく、説得力がある」などと高く評価された』との記載がありましたが、そんな訳ありませんよね。明らかに相当数の事例があります。もし、この記事が事実だとすれば、評価者の知識や資質が問われそうです。
 また、神戸新聞の記事には『発表を担当し、審査員特別賞も受けた亀田部長は「図鑑が間違っていることをこの手で証明できた」と興奮気味に話す』との記載がありました。これは取材記事なのでしょうね。でも、科学は日進月歩で積み上げるものであって、新しい技術を駆使した研究であれば尚更、過去の試行錯誤の(歴史の)上に成り立つものだと指導すべきではないでしょうか。教員としては残念な感想を述べたものだと(失礼とは思いながら、敢えて)苦言を呈したいと思います。
(ただし、それぞれ、発信者の意思を正確に理解して表現できていない記事である可能性も否めません。ありがちです。記事を言葉通りに読んだ者としての感想ですので、その際はご容赦いただくしかありません。)
2020/12/19


コミヤマスミレ
主に杉などの林下ですが、言われる程に暗い環境ではありません。ただ、ゼニゴケやスナゴケなどが地面を覆う土壌湿度です。
茨城県 2022年5月11日 alt.=500m

(つぶやきの棚)徒然草

 (2002/04/19) Latest Update 2023/03/13 [1.75MB]

ページのトップへ戻る