サクラスミレ (桜菫)
サクラスミレ
長野県塩尻市 2007年6月1日 alt.=1,620m
サクラスミレ サクラスミレ
山梨県 2023年5月3日 alt.=1,500m
サクラスミレ サクラスミレ
長野県塩尻市 2007年6月1日 alt.=1,620m
分類 ミヤマスミレ類
学名 基本種 サクラスミレ Viola hirtipes S. Moore Published in: J. Linn. Soc., Bot. 17:379, t. 16, fig. 6. (1879)
変種
品種
シロバナサクラスミレ Viola hirtipes f. lactiflola Hashimoto, nom. nud.
チシオスミレ Viola hirtipes f. rhodovenia (Nakai) Hiyama ex F.Maek.
ケナシサクラスミレ Viola hirtipes f. glabra E.Hama
ワタゲスミレ Viola hirtipes f. grisea (Nakai) Hiyama
(分類することが微妙なもの)
*ケントクスミレ Viola hirtipes f. nudipes Hiyama(学名が異なるが、ケナシサクラスミレの別名として扱われることが多い)
異名
Viola hirtipedoides W.Becker
Viola kamibayashii Nakai
Viola miyabei Makino Published in: Bot. Mag. (Tokyo) 16:124. (1902)
由来 hirtipes : 柄に毛がある、茎が多毛の
外語一般名 【中】毛柄堇菜、【韓】흰털제비꽃
茎の形態 無茎種
生育環境 明るい落葉樹林に多い。土壌水分が豊富な立地を好む傾向があり、夏に明るい場所では開花・結実が良い。
分布 国内 北海道東部から四国、九州の鹿児島県まで分布する。
海外 朝鮮半島、中国北・東北部、ウスリー(温帯)。
補足
花の特徴 形状 大輪。花びらの先端が桜の花びらに似ることが多い。上弁が大きい。凹頭または円頭。
赤紫色。濃淡の変化がある。
長め(7mm程度)。
花期 普通または若干遅め。
花柱 カマキリの頭形(側弁の毛をかき分けないと見えない)。
芳香
補足 側弁の基部、花茎に白い毛が開出、密生する。萼片は披針形HELP!
葉の特徴 形状 三角に近い長卵形(3-6cm程度)。鈍頭。基部は心形。ほぼ直立する傾向がある。
両面とも明るい緑色。
補足 花後、葉柄がかなり長く(25cm程度)なることがある。一般に白い短毛が見られる。
種の特徴 形状 倒卵形(へその方に細くなる)。中粒。
種子:浅褐色、種枕(エライオソーム):白色。光沢は弱い。
補足 へそに種枕が残る。
根の特徴 白い。深く伸長せずに、横に広がる。
絶滅危惧情報 秋田県:絶滅危惧Ⅰ類、山形県:絶滅危惧Ⅰ類、茨城県:絶滅危惧Ⅱ類、埼玉県:絶滅危惧Ⅱ類、東京都:絶滅危惧Ⅰ類、神奈川県:絶滅危惧Ⅰ類、静岡県:絶滅危惧Ⅱ類、愛知県:準絶滅危惧種、岐阜県:絶滅危惧Ⅰ類、奈良県:絶滅危惧Ⅱ類、兵庫県:絶滅危惧Ⅱ類、鳥取県:絶滅危惧Ⅰ類、岡山県:準絶滅危惧種、広島県:絶滅危惧Ⅰ類、山口県:絶滅危惧Ⅰ類、福岡県:絶滅危惧Ⅰ類、大分県:準絶滅危惧種、熊本県:準絶滅危惧種、鹿児島県:絶滅危惧Ⅰ類
基準標本
サクラスミレ : 中国北部
ケナシサクラスミレ : 長野県木曽郡塩沢 1964.5.12 by H. Okuhara(京都大学収蔵)
ケントクスミレ : 山梨県 乾徳山 1950.5.23 by M. Furuse (京都大学収蔵)
染色体数 2n=24 (Nishikawa, T., 1985, Journal of Hokkaido University of Education : Section IIB)
参考情報
その他
多毛から無毛まで変化が多い。根が大きく2本に分かれる特徴を持つとされる。
葉脈HELP!に赤い色が現れるとチシオスミレと呼ばれる。

サクラスミレ サクラスミレ
長野県塩尻市 2007年6月1日
サクラスミレ
花弁がとても大きく、先が桜の花びらのように凹んでいることが多い
レア(珍しい)なすみれの部類だが、足の踏み場がない程に群生していることもある
群馬県渋川市(旧赤城村) 2003年5月4日
サクラスミレ サクラスミレ
長野県諏訪市 2001年6月2日
サクラスミレ サクラスミレ
長野県諏訪市 2003年6月8日
サクラスミレ
長野県諏訪市 2010年6月20日 alt.=1,800m
 極く大輪で、赤紫色の花がさっぱりしていて美しい。本当に桜色の花なのだと思っていたのですが、花弁の先が桜の花びらに似ていることから命名されたのだそうです。実際に見た花は、赤紫色というより淡紫色に近いようでした。
 チシオスミレは葉脈に赤斑が入ります。アカフタチツボスミレの場合と良く似ているのですが、サクラスミレと隣接地で見られることがあり、小さな違いに過ぎないという意味なのだろうと痛感したものでした。
1999/06/20

 比較的容易に入手できるのですが、2005年に報告された調査結果により、夏季の相対光量子密度が高い場所で開花・結実が良いという調査結果が報告されました。
 一方、同報告書には「谷底面の低い場所や斜面で個体密度が高く、一方で高い場所には少ない」と記載されていますが、実感として疑問があるような気がしました。
2008/06/25

 『茨城県植物誌』の記載にしたがって、茨城県に「書籍情報」をマークします。近隣では、千葉県が穴のような状態になってしまいました。
2010/01/09


サクラスミレ
サクラスミレ
 学名が意味する「柄に毛がある、茎が多毛の」に反して、花茎や葉茎がほとんど無毛に近い個体も少なくありません。上の葉の場合、全体に毛が少なく、拡大してやっと見える程度の白い毛が疎らに見られます。ケナシサクラスミレもしくはケントクスミレの説明に該当するようです。
2010/06/23

サクラスミレ
葉は「直立する傾向がある」と資料にありましたが、実際、こんな感じの株を見かけることもあります.。ちょっと極端でしょうか。
群馬県吾妻郡 2013年4月27日 alt.=820m
サクラスミレ
山梨県 2023年5月3日

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 (1999/06/20) Latest Update 2023/10/08 [1,00GB]

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