コケスミレ [ニョイスミレの変種] (苔菫)
コケスミレ
コケスミレ コケスミレ
コケスミレ
千葉県 2013年5月13日 植栽
コケスミレ コケスミレ

コケスミレ
千葉県 2000年12月23日 植栽
コケスミレ 若い芽が伸びた コケスミレ
コケスミレ 順調に育った

実際、

コケの方が

草丈が高い
コケスミレ
千葉県 2001年2月6日 植栽

コケスミレ
千葉県 2013年4月4日 植栽
コケスミレ
千葉県 2013年6月19日 植栽
分類 ニョイスミレ類
学名 基本種 ニョイスミレ Viola verecunda A. Gray Published In: Mem. Amer. Acad. Arts, n.s. 6(2): 382 (1858) 【注:論文掲載誌】
変種 コケスミレ Viola verecunda var. yakusimana (Nakai) Ohwi
品種
異名 Viola yakusimana Nakai [B. M. T. 36: 35 (1922)]
由来 verecunda : 内気な、(適度の)、yakusimana : 屋久島の
外語一般名
茎の形態 有茎種
生育環境 酸性湿原。湿地帯に生える苔や水苔から顔を出すように生育する。
分布 国内 屋久島特産(固有変種)。
海外
補足 母種のニョイスミレは南西諸島を除いて、ほぼ日本全国で見られる。
花の特徴 形状 極めて小輪(花後も大きくならない、丸い花弁は4~7mm)。側弁は有毛。
白色。小さめの唇弁に紫条が明確に入る。
袋状で、太くて短い。
花期 遅い(5~9月、ミッドシーズンは6~8月)。7月を中心に比較的長く咲き続ける。
花柱
芳香
補足 上弁が反り返るように咲くことが多い。
葉の特徴 形状 葉が全体は卵状心形。厚葉で光沢がある。縁に4~8個の粗い鋸歯HELP!があり、花後も大きくならない。
その他は基本種に準じる。
補足
種の特徴 形状 丸みのある防滴型。
極めて小粒(1mm程度)であるが、ニョイスミレと比較する限り、以外にも、少し大きい。
茶褐色。黒いニョイスミレに比較すると淡い色合いである。
補足 果実は小さいが、ニョイスミレとほぼ同じ大きさである。従って、一つの果実に収納されている種子の数は少ないことになる(ページ下段の記載参照)。
根の特徴
絶滅危惧情報 鹿児島県:植物絶滅危惧Ⅰ類
基準標本 屋久島(鹿児島)
染色体数 2n=24
参考情報
その他 屋久島に辿り着いたニョイスミレが、環境に適応して極端に矮小化したものとされる。

ニョイスミレの学名について

 東南アジア広域に分布するニョイスミレは、個体数や種内変異が極めて多いという特徴を持っています。シノニム(異名)も多いことから、学名について数多の変遷があったであろうことが容易に想像できます。

 ニョイスミレの学名について、当サイトが参考にさせていただいているソースの一つ「YList:BG Plants 和名-学名インデックス(米倉浩司・梶田忠)」では、Viola verecunda A. Gray と記載されていますが、注釈(ノート)として『Y.S.Chen et al., Fl. China 13: 78 (2007)はタイワンツボスミレの異名とする』とあります。欧米や東南アジアの資料を当たると、Viola arcuata Blume を正名( accepted name, collect name )と記載して、Viola verecunda をシノニムとするケースの方が主流です。

 当サイトでは、当面、Viola verecunda を正名として扱いますが、変更する可能性があると認識しています。



 元来はニョイスミレのページに併記すべきですが、ニュイスミレは変異が多く、まとまりがつかない。そこで全体イメージが大きく異なるコケスミレについては独立したページとしました。2001年の冬は眠らせないで育成させています。
2001/02/06

 ニョイスミレのページから分離させて良かったのでしょうね。育てることは難しそうですが、蕾が出た頃、腰水をしてすみれを追いかける旅に出て、戻ったら満開になっていました。関東で栽培しても花期が極めて遅いということを実感しました。
2001/02/06


コケスミレ コケスミレ
千葉県 2013年5月16日 植栽
コケスミレ コケスミレ
コケスミレ
真上にムラサキコマノツメの葉が突き出ています。葉の大きさや炸裂した果実の大きさなどを比べてみて下さい。
千葉県 2013年6月17日 植栽

コケスミレ ムラサキコマノツメ
  • コケスミレ
  • ムラサキコマノツメ
 やっと果実が炸裂した様子を撮影できました。たまたま、同日に炸裂したニョイスミレの品種とされるムラサキコマノツメの果実と比べて見ることができました。
 果実の大きさから、おおよそ倍率を合わせてあります。果実の真皮部分の長さはコケスミレが4mm前後、ムラサキコマノツメは7mm程度ありますから、2倍まではいかないまでも随分大きさが違います。一方、種子についてはコケスミレの方が若干大きいようです。かなり少ないだろうと想像はしていましたが、コケスミレの果実一つ当たりの種子数はたった3個でした。ただ、これは極端な例であることが分かり、その後の観察で平均7個前後のようです。
 一方、ムラサキコマノツメの方は種子が8個見えていますが、半数近くは既に飛んでいると考えた方が良さそうです。結論として、コケスミレの種子生産性はとても低いと言わざるを得ません。ただ、単位面積当たりの果実数が極めて多い訳ですから、見方の問題なのかも知れませんね。
 ちょっと意外だったのは、種子の色合いです。ニョイスミレは黒褐色だという記憶から、コケスミレの方が淡い色合いだと思っていたのですが、自宅のムラサキコマノツメと比較する限り、双方ともに淡い色合いでした。
2013/06/18


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 (2000/11/06) Latest Update 2022/03/28 [640KB]

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