オオバキスミレ (大葉黄菫)
オオバキスミレ
岩手県和賀郡 2023年5月10日 Alt.=280m
オオバキスミレ オオバキスミレ
岩手県和賀郡 2011年5月14日

オオバキスミレ オオバキスミレ
新潟県村上市(旧朝日村) 2003年4月27日
オオバキスミレ 自然の中で出逢った初めての黄色い菫

(子供の頃の話です)

珍しいと言えば珍しいのですが、

場所によっては当たり前のように咲いています

それが不思議でなりません
新潟県新発田市 2001年4月29日

オオバキスミレ オオバキスミレ
岩手県湯田町 2002年5月3日
分類 キスミレ類(節)
学名 基本種 オオバキスミレ Viola brevistipulata (Franch. et Savat.) W. Becker Published in: Beih. Bot. Centralbl., Abt. 2, 34:265 (1916)
亜種
ダイセンキスミレ Viola brevistipulata ssp. minor Nakai
エゾキスミレ Viola brevistipulata ssp. hidakana (Nakai) S. Watanabe
フギレキスミレ Viola brevistipulata ssp. hidakana var. incisa(S. Watanabe) F.Maek. et T.Hashim.
ケエゾキスミレ Viola brevistipulata ssp. hidakana var. yezoana Toyok. ex H.Nakai, H.Igarashi et H.Ohashi
コバナエゾキスミレ Viola brevistipulata ssp. hidakana var. yezoana f. parviflora S.Watan.
変種
ナエバキスミレ Viola brevistipulata var. kishidai (Nakai) F.Maek. et T.Hashim.
フチゲオオバキスミレ Viola brevistipulata var. ciliata (Kikuchi) F.Maek.
フギレオオバキスミレ Viola brevistipulata var. laciniata (H. Boissieu) W. Becker
品種
ミヤマキスミレ Viola brevistipulata f. acuminata S. Watanabe
シロバナオオバキスミレ Viola brevistipulata f. albescens E.Hama
参考
シロバナフギレオオバキスミレ Viola brevistipulata var. laciniata f. alba
トカチキスミレ Viola brevistipulata ssp. hidakana var. yezoana f. glabra S.Watanabe
異名 フチゲオオバキスミレ Viola brevistipulata var. ciliata (M. Kikuchi) F.Maek.
由来 brevistipulata : 短い托葉がある
外語一般名
茎の形態 有茎種
生育環境 山地の半陰地または明るく湿り気味の林下を好む。根茎で増え、群落を形成する。
分布 国内 多雪地のすみれ。主に日本海側を中心に、北海道から島根県まで分布する。
海外
補足 日本固有種。
花の特徴 形状 中輪。ただし、全体の大きさに比べて小さめに見える。側弁基部は有毛。
山吹色と呼んだ方が良いような濃い黄色。唇弁に赤紫色の条が入る。
小さくて目立たない。
花期 普通。
花柱 花柱に突起毛が見られる。
芳香 グリーン(いわゆる青臭い芳香)がある。
補足 特に唇弁が小さい。
葉の特徴 形状 先が尾状に尖り、全体は丸みがある心形または卵形。脈に沿った凹みが見られる。
根生葉は丸みがあるが、茎生葉はやや細長い。
托葉は小さな三角形で全縁(切れ込みがない)の単純な形状。
変異があるが、主に光沢のある緑色。
補足 葉の縁、裏の葉脈HELP!に微毛がある。葉質は薄い。ゆるやかな鋸歯HELP!がある。
種の特徴 形状 大粒(従って、個数は少なめになる)。
褐色~濃褐色。
補足 果実は小型で、明るい緑色または薄い褐色。
根の特徴 主根は白くて太い。地下茎はよく発達する。
絶滅危惧情報 京都府:絶滅危惧Ⅰ類
基準標本
オオバキスミレ : 槍ヶ岳
トカチキスミレ : 北海道 カムイエクチカウシ岳 1954.7.19 by S. Watanabe (京都大学収蔵)
フギレキスミレ : 北海道 芦別岳 1958.7.27 by S. Kawano (京都大学収蔵)
コバナエゾキスミレ : 北海道 ニペソツ岳(十勝川上流域) 1956.7.30 by S. Watanabe(京都大学収蔵)
染色体数 2n=12
参考情報
フチゲオオバキスミレとケエゾキスミレの学名 中井秀樹、五十嵐 博。大橋広好(植物研究雑誌第 71巻第6号)
その他 新潟等の多雪地域では普通に見られる(雑草と言っても良いだろう)。
幾つかの変種や品種をまとめて再編成する考えもある。
茎は基本的に緑色だが、赤みを帯びる個体も見られる。

オオバキスミレ オオバキスミレ
オオバキスミレ

大柄な葉に比べて

かわいい果実が稔っていました





茎が赤いですね

葉の付き方も独特です

変種たちに近い姿に見えます

秋田県仙北市 2006年7月8日 alt.=1,460m

小さい時の記憶にあるすみれなのですが、写真を撮るようになってからは、自然の中で初めて見ることができました。出逢ったのは、何度か通過した新発田市、村上市近在ですが、微妙に季節が違うため、これまでは花を見ることはできなかったようです。目の当たりにした第一声は「当たり前のように咲いている」、恐らく、地元に方たちにとっては雑草に近い感覚なのでしょう。だからと言って、乱獲されることのないよう(自分なりに)心がけたいものです。
2001/04/30

前述した記憶が沢内村(岩手県)であることを確認できました。幼稚園とか、その頃の記憶なので相当曖昧でしたが、現地をレンタカーで走りまわって見て、概ね確信できました。
2002/05/11

北海道大学による2013から2016年の研究によると、『北海道と東北地方に生育するオオバキスミレには、開放花と閉鎖花による種子繁殖を行う“種子繁殖集団”が存在する一方、閉鎖花をつけずに開放花のみ形成し、かつその開放花においてもほとんど種子を結実せず、主に地下部の根茎を横走させる “栄養繁殖集団”が存在することが明らかになってきた』とされる。
2017/10/25


オオバキスミレ オオバキスミレ
オオバキスミレ
兵庫県神戸市 2022年4月20日 六甲高山植物園 植栽と想定 晴天

オオバキスミレ オオバキスミレ
神奈川県 2012年3月22日 植栽

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 (2001/04/30) Latest Update 2023/06/28 [1.30MB]

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