分類 キスミレ類 学名 基本種 オオバキスミレ Viola brevistipulata (Franch. et Savat.) W. Becker Published in: Beih. Bot. Centralbl., Abt. 2, 34:265 (1916) 変種 亜種 エゾキスミレViola brevistipulata ssp. hidakana (Nakai) S. Watanabe 異名 由来 brevistipulata : 短い托葉がある、hidakana : 日高の(日高山脈の) 外語一般名 茎の形態 有茎種 生育環境 超塩基性岩(蛇紋岩やカンラン岩など苦鉄質火成岩)の岩場に自生する。 分布 国内 北海道特産(日高地方の蛇紋岩地帯:アポイ岳・幌泉岳、石狩の白鳥山)。 海外 補足 花の特徴 形状 中輪。側弁の基部に毛がある。唇弁が小さい。 色 山吹色と呼んだ方が良いような濃い黄色。唇弁に濃紫色の条が入る。 距 小さくてほとんど目立たない。 花期 5月中旬~6月上旬。 花柱 上部に毛が生える。 芳香 補足 花弁の裏側が紫色を帯びる。柱頭と側弁の内側に毛がある。茎は紅紫色で無毛。 葉の特徴 形状 茎の上方3枚(一般に大きさが異なる)が輪生に近い姿でまとまって付く傾向がある。肉厚。長三角状卵形。先端は更に尾状に細長く尖る。ゆるやかな鋸歯が目立つ。 ただし、南日高の粘板岩や花崗岩質など、生育地の基岩が異なると葉質は薄くなる。 色 表面は光沢のある濃暗緑色。裏面は濃紫色を帯びる。葉脈は暗い紫紅色。縁の隆起が強い株では肉厚で光沢が強い傾向があるとのこと。南日高では裏面が濃紫色ではなくなる。 補足 閉じ気味で、茎上部の葉が輪生状に付くことが多いが、一定していない。渡辺定元氏によると「一般に生育の良い個体は葉が輪生しない」。 托葉小さくて単純な形状(広披針形または卵状披針形)で先が尖り、褐色の斑点がある。 種の特徴 形状 色 補足 根の特徴 絶滅危惧情報 基準標本 幌泉郡 染色体数 2n=12 参考情報 その他 オオバキスミレが小型化して、葉の色が濃くなり、塩基性土壌に対応した亜種。 栽培の麺から見ると、オオバキスミレの仲間では育てやすいとの情報がある。 幾つかの型がある。 1)ケエゾキスミレ: 葉質が薄く、裏面は濃緑色、葉の縁、裏面に毛がある(日高山脈に多い)。 2)トカチキスミレ: ケエゾキスミレの無毛品(日高山脈のカムイエクウチカウシ山等)。 3)コバナエゾキスミレ: 花が小さく花弁が長楕円形(十勝川上流のニペソツ川の亜高山帯)。 4)フギレキスミレ: ケエゾキスミレの鋸歯が粗大化(夕張山脈芦別岳、日高山脈北部)。 【出典:オオバキスミレとエゾキスミレの一群、植物分類・地理(1961)、渡辺定元】