ヴィオラ・リヴィニアナ (旧:ヴィオラ・ラブラドリカ) - Viola riviniana -
V. labradorica として流通しているが、V. riviniana の一型とする理解が一般化している)
ヴィオラ・リヴィニアナ
千葉県 2009年4月20日 植栽
ヴィオラ・リヴィニアナ
ペダータ同様、葉の印象がとても強く、園芸店で容易に手に入る
「黒葉スミレ」などと呼ばれることもある
言葉として余り難しくなく、かわいいいので、学名のままで良いのでは!
千葉県 2009年4月5日 植栽
ヴィオラ・リヴィニアナ ヴィオラ・リヴィニアナ
分類 タチツボスミレ類
学名 基本種 Viola riviniana Reichb. Pl. Crit. 1: 81. (1823)
変種
品種
異名
Viola labradorica Schrank 'Purpurea'
Viola labradorica var. Purpurea

他、多数
由来 labradorica : 地名由来
外語一般名 【英】Common Dog-violet, Wood violet, Alpine Violet, Labrador Violet
茎の形態 有茎種
生育環境 寒冷地の半日陰、明るくて湿った産地や草原など。
分布 国内
海外 欧州、北アフリカ、北アメリカからカナダ、グリーンランド。
補足 (欧州ではヴィオラ・リヴィニアナ、北米ではラブラドリカと使い分ける資料がある)
花の特徴 形状 中輪。側弁の基部は有毛(白くて目立つ毛が見られる)。
濃い紫(バイオレット・ブルー)。唇弁に赤紫色の条が強く入る。
短くて太い。白色。
花期 春以外に秋から冬にも良く咲かせる。
花柱
芳香 なし。
補足 ハーブとして扱われることがある。園芸的にはグランドカバー植物としても扱われる。
葉の特徴 形状 ハート型(心形)。基部は心形で巻いている。
銅色と表現される美しい紫色。寒冷期に更に濃い色になる。
補足 全体に短くて白い毛が密生する。
種の特徴 形状 中粒。涙滴形(膨らんだ楕円形)。
茶褐色から黄土色。
補足 寒さに強く、結果的に繁殖力が強い。
根の特徴
絶滅危惧情報
基準標本 グレートブリテン島、北アイルランド。
染色体数 2n=20
参考情報
その他 アイヌタチツボイスミレに近いグループと言われる。
強健で耐寒、耐暑、対乾性があり、こぼれたタネで盛んに増殖する。
園芸流通名としてドウバスミレ、クロハスミレなどと呼ばれている。
ヴィオラ・リヴィニアナ
ヴィオラ・リヴィニアナ

左:アイルランド(2004発行)

右:エストニア(2004発行)

* (総務省|郵政事業サイトより)



ヴィオラ・リヴィニアナ ヴィオラ・リヴィニアナ
ヴィオラ・リヴィニアナ
黒葉のみならず、銅葉という表現があります
ただ、この葉は緑色ですね
低温期になると、色が濃く(黒く)なるそうです
どうやら最初から黒い葉もあるような・・・!
黒葉より銅葉、ブロンズの方が適切でしょう
千葉県 2009年4月20日 植栽

 前述のように、いろいろな名札が付けられて市販されています。原産地での呼び名の翻訳や、ラテン語の学名が示す特徴を邦訳したというのであれば、好ましいかどうかは別として、程度の問題だなぁという気持ちにもなります。でも、「雅スミレ」だとか、何の脈絡もない名前を付けて流通させないで欲しいですね。
2007/05/29

 驚く程に果実ができて、たくさんのタネを確保することができます。しかしながら、採り播きした結果は芳しくありません。播いたタネの数に比して、発芽した株の数は存外少ないのですね。同様に播いた他の種と比較すると発芽率は極めて低めです。一般には「良く殖える」と言われているすみれですので、もしかしたら播き床が悪かったのか、採り播き自体がは合わないのかも知れません。
 もう一つ、気付いたことがあるのですが、基本的には丈夫で、寒い地方のすみれであるにも関わらず、日本の暑さや直射日光には平気な顔をしていますが、水涸れにはとても弱そうです。日陰に移動した後、うっかり水も届かなくなっていたのに気が付かず、二鉢も枯らしてしまいました。
2007/09/11


ヴィオラ・リヴィニアナ
千葉県 2008年4月17日 植栽
ヴィオラ・リヴィニアナ ヴィオラ・リヴィニアナ

 現状、このサイトではViola riviniana の方を別名 (synonym) として扱っていますが、実は逆で、V. labradoricaV. riviniana の一部として編入されることになりそうです。ただ、具体的な事情が掌握できず、修正には二の足を踏まざるを得ません。情報が確認された場合、V. hederaceaV. banksii の時と同様にサイト情報の修正措置を行う予定ですが、しばらく後のことになるでしょう。
2009/06/10

 さて、困った情報の後日談ですが、紫色の葉を持つViola labradorica 'Purpurea' は北米産ではなく、欧州産の V. riviniana が誤って流通してしまい、園芸市場では訂正ができなくなっているというのが大勢を占める情報です。つまり、V. labradorica 'Purpurea' は、正確にはV. labradorica ではないことになります。
 そして、別途に存在する北米の Labrador 地方等に自生する緑色の葉を持つ正規版のV. labradorica の方も、分類上の位置づけがフラフラしていて Viola adunca var. minor とともに Viola conspersa に統合するのが妥当と Harvey Ballard氏が語っているそうです。Kim Blaxland氏もほぼ同じですが、この方々は、米国人でスミレのオーソリティと言われています。
2009/11/05

 サイト上の基本的な表現を labradorica から riviniana に変更しました。ただ、過去に「ラブラドリカ」は「リヴィニアナ」とすべきかも知れないなどと記載していた記事を変更する訳にはいかず、『過去に誤ってそのように呼ばれてしまったことがある』という事実は事実として残っているページもあります。こうした事態は少なからず見られ、それも一つの歴史なのだろうと思います。悪しからず、ご了承ください。
2011/10/18


(つぶやきの棚)徒然草

(2006/01/01) Latest Update 2022/08/05 [285KB]

ページのトップへ戻る