すみれは原則として交雑が起こりやすい植物なので、人工交配にしても自然交雑にしても、名前が付けられていない組み合わせは多くあるのでしょう。特に標準和名として認められるには、(詳しい事情は分かりませんが)それなりの経緯と時間が必要なのでしょうか。正確には権威が重要かも知れません。
前述の通り、展示札には「ベニバナナンザンスミレ x ベニバナエイザンスミレ」と記載されていましたが、後者をエイザンスミレとして扱った場合、園芸種として大評判の「紅鶴」と同じ組み合わせです。ただ、同じ組み合わせだからと言って、どれも「紅鶴」とする訳にはいきませんよね。園芸的に優れた発現形質を選別して命名された園芸選別種だから評判が良いのです。その遺伝子を尊重する意味でも、園芸種に限っては組み合わせに対して名前が付いているとは考えていませんので、「和名なし」としました。2008/09/30
神奈川県 2008年3月23日 植栽
(2008/09/30) Latest Update 2023/08/29 [235KB]