ヨシノスミレ [流通名]
ヨシノスミレ
左が「ヨシノスミレ(明神)」、右が「スミレ(紅むらさき)」です。色合いの違いが分かるでしょうか。
千葉県 2011年2月17日 植栽
ヨシノスミレ ヨシノスミレ
千葉県 2011年2月17日 植栽 2011年3月5日
系統 ミスズ系。
作出 (未確認):ヨシノスミレは流通名(園芸品種/栽培品種名)として扱っている。
交雑親 スミレ x スイートフェアリー(4倍体)
Viola x 'Yoshino' (Viola x sp.)
花の特徴 形状 やや横に広い傾向がある。
幅広い変化があるものと予測される。写真は(明神)型。
花期
花柱
芳香
補足
葉の特徴 形状 組み合わせ次第と推察するが、(明神)はスイートフェアリーが持つ南西諸島系すみれの形状に近い鋸歯HELP!の粗い披針形HELP!
濃緑色。
補足
参考情報
その他
 系統とは、鈴木進氏WHO!や田淵誠也氏が交雑種を系統立てて整理することを目的として、グループに名称を与えたものであり、作出者の命名の一部として理解すべき項目でしょう。
 ミスズ系の定義について、田淵誠也氏の「すみれ図鑑」では、スミレ(マンジュリカ)と南西諸島の小型すみれ(ヤクシマスミレ、アマミスミレ、ヤエヤマスミレ)の組み合わせのものと表現されています。葉の数が多く、花期が長いものが多い。viola属は花期が短いのが園芸的に問題であったが、改善されている点が交雑種として優れているとのこと。
2009/01/07

園芸品種(栽培品種)名の表現
 園芸品種とは園芸的に優れた形質を持つ系統の保護を目的に作られ、種の分類項目の一つとみなされますが、独立した概念です。
 表記としては"cultivar(cultivated variety)"を付す方法が用いられていました(一般に"cv."と略す)。
 尚、複数形である"cvs."が使用される例は稀有であり、一語で複数の園芸品種を指し示す必要がある場合に限られます。
 従前は右のように表記されていました。 Viola odorata cv. 'Sulphurea' → Viola odorata 'Sulphurea'
 1995年の国際栽培植物命名規約(ICNCP)では、学名欄の通り"cv."を記載しないことになり、旧表記法は廃止されました。
 (2021年現在、国際栽培植物命名規約の最新版は第9版の2016年版 [ISBN 978-94-6261-116-0] です)
 園芸品種(栽培品種)を単に「品種」と呼ぶ例が散見されますが、分類項目の品種("f.")とは異質な概念なので、意識的に区別すべきでしょう。尚、栽培品種名は、正確を期すれば「学名」ではないのですが、便宜上、同様に扱われる例が多く、当サイトも同様です。
 書籍上で田淵誠也氏はヨシノスミレ(明神)と表現していますが、栄花園は明神ヨシノスミレとして流通させているようです。おそらく、同じものだと思いますが、なかなか思い通りにはいかないということでしょう。組み合わせに対して付けられた名前ですが、交雑種の4倍体まで幅が出てしまうと整理しようとする試み自体に無理が出てきそうです。
 元来、ヨシノスミレ(明神)というカッコ内の言葉までを含めてユニーク、即ち、一意名になるという前提ですが、流通業者が頭に付けてしまった時点で困ったことになっています。ヨシノスミレとして葉や花の特徴を記載していますが、元来、そのレベルで説明するのではなく、下位のユニークなレベルで説明するのが本当なのでしょう。
2011/02/26


 (2011/02/26) Latest Update 2023/02/10 [120KB]

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