イワフネタチツボスミレ (岩船立坪菫)
イワフネタチツボスミレ
葉はオオタチツボスミレ風、花に赤味があり、距は少し長い
新潟県村上市 2001年4月28日
イワフネタチツボスミレ イワフネタチツボスミレ
新潟県村上市(旧朝日村) 2001年4月29日
交雑親
オオタチツボスミレ
オオタチツボスミレ ( 2n=20 )
Viola kusanoana Makino
ナガハシスミレ
ナガハシスミレ ( 2n=20 )
Viola rostrata Pursh
subsp. japonica W.Becker et H.Boissieu
学名
Viola x sp.
Viola kusanoana Makino x V. rostrata Pursh subsp. japonica W.Becker et H.Boissieu Published in: Wild Violets Jap. Col.: 95, t. 25 (1975)
茎の形態 有茎種間の交雑種
生育環境 両親ともに生育環境の近い、雪国のすみれであり、日本海側では比較的多く見られる自然交雑種。
分布 国内
海外
補足
花の特徴 形状 中輪。距の長さが中間的、その他の要素は両親の特徴を併せ持っていて変化が多い。
通常、ナガハシスミレより少し大きめ横長で、平面的なナガハシスミレというイメージになる。
HELP!の色はオオタチツボスミレ似の白系と、ナガハシスミレ似の赤紫色系に分離する。
長さは中間的で、結果、ナガハシスミレより少し短いケースが多い。
花期
花柱
芳香
補足
葉の特徴 形状 オオタチツボスミレの特徴に近い円心形または広卵状披針形HELP!
葉脈が凹み、もしくは、表面に凹凸が見られ、一般に鋸歯が大きめである。
補足 ナガハシスミレとの相違点として、花期に、葉の基部がまだ巻いている場合があり、判断材料となる。
根の特徴
絶滅危惧情報
基準標本 新潟県
参考情報
その他 工藤孝雄氏が1966年に新潟県岩船郡関川村(現村上市)で発見したとされる。
全体として「距が長いオオタチツボスミレ」という印象があるので、比較的分かりやすい場合もある。
 命名の元になった個体はムラカミタチツボスミレと同様、新潟県村上市岩船(岩舟)のものです。その周辺では多くの個体が見られ、決して珍しい類の交雑種ではないと思われました。
2003/07/06


イワフネタチツボスミレ
岩手県和賀郡 2023年5月9日
 タチツボスミレ類同士の交雑種の場合、稔性があることが少なくないため、結果として「戻し交雑」が起こりやすいと言われます。実際、現地で観察しますと、DNAを調べるまでもなく、幅広い変異が見られ、長期間、そうした「戻し交雑」が繰り返されてきたのだろうなと実感できます。そのため、「イワフネタチツボスミレかも知れない」というケースが多く、「これは典型品だ」と特定できずに迷ってしまう方が、むしろ、普通だと思います。
2024/01/15


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 (2003/07/05) Latest Update 2024/01/15 [420KB]

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