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NYANの独り言 徒然草2002 つぶやきの棚  山路来て 何やら床し 董草 
松雄芭蕉

 有名な芭蕉の句です。芭蕉は全国を行脚して句を詠んだ由縁か、あちこちに句碑がありますね。群馬県吾妻郡長野原町の川原湯という温泉郷にも古い石碑があります。芭蕉が当地に立ち寄った明確な記録はないとのことですが、全国でも有数のスミレ産地である群馬県や長野県にスミレの句碑があるのは納得できるような気がしますね。

 感の良い方はアレッと思われたかも知れませんが、ここで唐突に川原湯のお話を紹介したことには、少し事情があります。近い将来、この句碑は水没する運命にあるのです。2,000年の夏、八ツ場(やんば)ダム建設計画が復活して動き出したためですね。オリヅルスミレの生育地がダム建設で水没したエピソードを連想してしまうのは私だけでしょうか。この計画は昭和20年代に上申されてから、既に半世紀が経過しています。詳しい事情については省略しますが、興味のある方は「八ツ場ダム」をキィワードに検索してみて下さい。

 この計画に対する是非について軽々しく口にするのは避けるべきだと思いますが、吾妻川沿いの広大な土地がダムの底に沈むだけでなく、その地域住民が少し高い位置にある山地を切り開いて移転する計画になっていて、道路等のインフラ建設を含めて、二重三重の自然破壊が行われることだけは明らかです。公共事業、特にダム建設に対する再考機運が立ちあがったとたんの出来事に、ナゼという疑念が隠し切れないお話です。

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