増殖中の「幾夜の夢」は園芸品種としてのアドバンテージを多く持っていると思っています。ほれぼれする色合いを持つ整った大きめの花、次々に上がる蕾、早く咲き出して遅くまで咲いている花期の長さ。葉もきれいで余り大きくならず、株元から密に生えて放射状に拡がり、花後も全体の姿が乱れません。その上、稔性があって、発芽状況も良好です。
鈴木才将氏が生み出した「エイザンスミレx ベニバナナンザンスミレ・紅鶴」も、その美しさとしっかりした稔性ゆえに短期間で日本中で栽培されるようになり、まるで新しい種ができてしまったかのような印象です。こうした日本発の優れた園芸品種がどんどん紹介されていって構わないのだろうと思います。まぁ、商業的には稔性があっては不都合かも知れませんが、愛好者としては嬉しいことですね。