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2007年07月29日

強い日差しに映える

 比較的、という話ですが、暗めの環境を好むすみれが多いと思います。また、花の時期には明るくても、花後には樹上の葉が展開して少し暗くなるような環境に咲くすみれも多いのではないでしょうか。相対して、常に炎天下であろう環境にしっかりと咲いているのはナエバキスミレです。
 背の低い灌木が生える程度の亜高山南斜面に堂々と咲く姿は、なにか潔さのようなものを感じさせてくれます。真上から強い日差しを受けて、光沢のある深緑色が更に強く輝いて、随所に目立つ緋色も映えていますね。母種であるオオバキスミレとはまるで異なるイメージではないでしょうか。
ナエバキスミレ

<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」は、たくさんの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2007年07月28日

すみれ好きの目線

 雪国に桜前線が訪れる頃、幹線道路から少しだけはずれた山道で、オオバキスミレに包まれているような一角に遭遇するがあります。どこもよく似た雰囲気を醸し出していますね。
 通りがかりのエトランゼにとっては「ふんわりした暖かみ溢れる世界」に見えますが、地元の方にとっては「ありふれた春の景色」、そんな風景ですね。当然ながら、ほとんどの通行人が桜を見上げている訳ですが、すみれ好きの目線は下方ばかり向いていて、少し変かも知れません。
 でも、地元の方も黄色いすみれを不思議だとも思わず、どこにでもある桜を愛でている訳ですから、それはそれで変かも知れないと・・・。
オオバキスミレ

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2007年07月26日

秘境を選んだすみれ

ヤエヤマスミレ  今年も方々歩きまわりましたが、やはり、ジャングルへカヌーで分け入ったのはドキドキものでした。到着した場所で目にしたのは、多くの小さな葉を持つヤエヤマスミレの白い花でした。
 落差のある滝が空中に霧状の水分を提供して、一面が常に湿っている生育場所です。写真は比較的に素直な場所を選んだ株で、垂直な岩肌にへばり付いている株が多いことには驚きました。それから、岩の上面の養分も水分も限定的な苔に根を下ろしているもの等ばかりです。
 こんなジャングルの奥地なら、確かに直接の競争相手は少ないかも知れませんが、温帯の植物が敢えて選ばなくても良さそうな場所ですね。

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2007年07月23日

急流に棲むすみれ

ケイリュウタチツボスミレ  渓谷ならではの深くて速い流れは真っ黒で、まるで白い石灰質の岩が浮かび上がっているようですが、その岩全体が丸く削り取られているのが分かりますね。甚だ小さくて分かり難いのですが、岩の窪みに緑色の葉と紫色の花を持つすみれが写っています。こんな場所に咲いているのは、やはりケイリュウタチツボスミレでした。
 川沿いにわずかに残った砂場では見掛けません。増水したら、流されてしまうのでしょう。もう少し場所を選べば良いのに!と思わせるような岩肌の小さな隙間に根を下ろして咲いている株がほとんどです。
 水分も栄養分も限られているはずですが、とても元気に花を咲かせます。一方、葉は小さな三角形または菱形で、水没しても水の抵抗が少ないという説明には説得力があるなぁと思いました。

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2007年07月22日

さざ波とすみれ

アナマスミレ  藍に近い深い碧色に白いさざ波、これは日本海の水の色です。長い砂浜があるのですが、細い灌木の奥に濃紫色のすみれが写っていますね。こんな場所に大量に咲くのはイソスミレか、このアナマスミレだけでしょう。
 潮風が吹き、太陽を遮る木陰もなく、時には海水が押し寄せる過酷な環境に適応して勝ち残った海岸性のすみれたちですね。でも、海岸を見る度に思うのですが、砂浜が明らかに(あからさまに)減っています。せっかく勝ち残ったのに、その環境が急速に消失しつつあるというのは皮肉なことです。

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2007年07月20日

果実いろいろ (2)

トウカイスミレ  すみれの朔果には丸い鞠状のもの、小豆色のもの、茶色で微毛がたくさん生えているもの、緑色をした長細いドングリ状のもの等、けっこう多彩です。この朔果も、形状は一般的ですが、表面に茶色の斑紋が目立っています。
 鋭い方はマルバスミレに似ていると思うでしょう。いじわるクイズではありませんので、答をすぐに出しますが、これは萼の付属体がしっかりしたトウカイスミレです。このすみれ自体を見たことがないという方も多いと思いますが、花が終わった朔果の時期でも、草丈は余り高くなりません。葉に比べて朔果が大きく見えるのですが、実際には葉が小さいのであって、朔果自体は比較的小さい方に分類されるでしょうね。

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2007年07月19日

果実いろいろ (1)

 すみれタイプの果実を朔果というのですが、なかなか変化に富んでいます。これはヒナスミレの朔果ですが、茎元に丸まったまま膨らんでいますね。実は、この後、一応、立ち上がって裂開するのです。なにかメリットがあるのでしょうか?
 どこかで見たことがあるなぁと思っていたのですが、どうやら北米原産のソロリアの仲間が同じような展開を見せてくれます。一方、欧州のオドラータの場合は典型的な蟻散布植物らしくて、この時期までは少し似ているのですが、最終的に炸裂して種子を飛ばすという行為を完全に放棄しています。
 島倉さんか、小泉さん風に表現すれば、人生いろいろ、すみれの果実もいろいろでしょうか。
ヒナスミレ

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2007年07月17日

夏の庭 (4)

 今度は地震と大雨・・・、被災地がまた新潟近辺とは、どうしたことでしょう。

 現在は花が終わってしまいましたが、6月下旬に購入して、しばらく棚で咲いていたヴィオラ・ペダータ(鳥足スミレ)です。改めて目にしますと、比較的大柄な花ですね。また、よく考えると、こんな時期に売っているというのも洒落ています。
 これまで2年目に咲いたことはあるのですが、3年目に芽を出したことがありません。きちんと植え替えをしないまま、比較的に湿気の多い環境に置いていたかなぁと反省しています。栽培に供する面積が狭くて、すみれたちの生育特性に合わせて環境を分けることが難しいのですが、今後はもう少し意識してみたいと思います。
ヴィオラ・ペダータ

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2007年07月15日

夏の庭 (3)

 台風4号は980hPaという並の台風となって太平洋上に離れていきそうです。
 強風を想定して移動していた木本のすみれ、ヒバントゥス・コミュニスですが、最近は毎日20個程の白い花が咲いていました。一日花ですから、次から次に蕾を作っているのですね。
 2年目、春先に厳しい時期もあったのですが、今は元気に育っています。逆に余りに丈が伸びるので成長点にハサミを入れることにしました。その結果、枝が豊かに拡がって葉の数も増えたようです。育て方の基本は梅やリンゴの木と変わらないのだなぁと実感したものです。昨年できた種子を播いて、この木の二世が育っています。今年は大豊作になるかも知れません。
ヒバントゥス・コミュニス

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2007年07月14日

夏の庭 (2)

パンジー F2 正体不明  大型の台風4号は九州到達ですね。泣きっ面に蜂、穏便に通り過ぎて欲しいものです。
 さて、今日は春から咲き続けて、ニョイスミレを背景にまだ咲いている、もう一つの強健なパンジーです。おそらく、「這性ビオラ F2」で正体不明ですね。花弁はシンプルに白くて中央部だけがプチっと黄色ですが、これに似たパンジーを育てたことはありません。国内でのパンジー流通の多くは F1苗で、更に種子ができて F2が育つことがあります。所謂「分離の法則」に沿って、多彩な形質が現れることがあるという訳でしょう。
 昔は冬から春の主役でしたが、最近は秋から春、そして初夏まで咲き続ける希有な存在になりましたね。

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2007年07月13日

夏の庭 (1)

パンジー F1 フォーシーズン  大型の台風4号が沖縄を経て奄美を襲っています。関東もどんよりして湿度が高く、鉢植の植物たちには余り良い環境ではないでしょうね。そんな環境にもめげず、まだ花を咲かせているのは、意外にもパンジーです。
 日本でビオラと呼ばれるグループですが、「這性ビオラ フォーシーズン」という札が付いてただけあってか、こんな気温でも鮮やかな花を咲かせています。生産者は「パンジー F1 フォーシーズン」と呼んでいますが、その説明によると播種時期は8月からだとか。でも、発芽適温(摂氏15~18度)と時期がしっくり来ませんね。やはり高原育成を想定しているのでしょうか。

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2007年07月12日

有稔性の雑種 (3)

 「花の写真館」と銘打っている訳ですから、やはり、花も出しておかないといけませんよね。ベニバナナンザンスミレは、昨年、各地のすみれ展で多く出展されていました。この鉢には「ベニヅルスミレ」という札が付いていたと思います。
 当時、「ヒラツカスミレ'くれない'」という園芸種を育てていましたが、とてもよく似ていたのを記憶しています。残念ながら、三年目には芽を出してくれませんでした。以前にも書きましたが、少しずつ、微妙に由来の異なるよく似た園芸種があるようです。このような姿のすみれが好まれるということでしょうね。
ベニバナナンザンスミレ '紅鶴'

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2007年07月09日

有稔性の雑種 (2)

 採り播きして双葉が出てから約2週間後の姿です。掌状複葉系の本葉が展開していますね。
 ベニバナナンザンスミレについては情報が不足していた時期があって少し混乱していましたが、現在ではエイザンスミレの系統とする説が有力です。今でも学名としてナンザンスミレを意味する "Viola chaerophylloides" を使っている資料がありますが、ナンザンスミレの系統とされたことはないようですので、これは訂正されるべきでしょう。
 ただ、こうして見ると、ナンザンスミレとエイザンスミレは全体的に似ているような気がしませんか。少なくても、ナンザンスミレとその品種とされるヒゴスミレよりも似ているような気がします。
ベニバナナンザンスミレ '紅鶴'

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2007年07月08日

有稔性の雑種 (1)

 栽培は余り得意ではありませんが、それでも、お気に入りとか、気になる種は育ててみます。種子で更新できる方が楽で良いですねぇ。ただ、この紅色の花を咲かせる園芸種に種子ができて良いのでしたっけ?
 特徴を具体的に知りたいと思って、春に苗を購入しましたが、株分け後に朔果ができて立派な種子が採れてしまいました。雑種でも近縁の組み合わせでは稔性を発揮するケースがあるのだそうです。
ベニバナナンザンスミレ '紅鶴'

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2007年07月07日

ものは試し

シロコスミレ  この春、園芸店で「天城」という名前で売られていた花茎が赤紫色のすみれは、どうやら、シロコスミレという大陸のすみれだという意見でまとまりました。その後のことですが、種子が採取できたので、育ててみようと採り播きしてみました。
 なんでも試してみるものですね。とても発芽率の良い種らしく、調子に乗ってたくさん播いたものですから、全部を育てたらエライことになりそうです。

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2007年07月06日

ハイブリッドの宿命

ラインローザ・ジャイアントピンク  日に日に平均気温が上がって、庭のすみれたちも汗だくの様子ですね(笑)。本格的な夏が訪れる前に、自らのDNAを残すための朔果を盛んに作っているところです。
 ハイブリッドであるラインローザ・ジャイアントピンクも盛んに閉鎖花を上げているのですが、雑種植物体がゆえに、残念ながら、雑種不稔が生じています。時折、ハイブリッドでも組み合わせによっては種子ができるケースもあるのですが、このケースでは秕(しいな)さえ目にする以前に閉鎖花が枯れてしまいます。可哀想な気がしますね。

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2007年07月01日

亜高山の如意菫 (5)

ニョイスミレ  そろそろ、くどくなりそうですのでニョイスミレの話はこれで切り上げましょう。草丈が高い個体から余り離れていない湿った坂道で見掛けました。標高は1500m級です。
 葉の形状は、やはり近くに自生しているムラサキコマノツメに似て、少し丸めで尖っていません。ではミヤマツボスミレの範疇でしょうか?
 ムラサキコマノツメは定義が曖昧なので、それらしい条件が揃えば良いのかも知れませんが、アギスミレにしてもミヤマツボスミレにしても、やはり典型品でなければニョイスミレと表現するしかないような気がしませんか。

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