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2008年06月30日

高原巡見記 (11)

 
イブキスミレ  志賀高原から比較的に良く出掛ける地域まで一気に戻ってきました(忙しい)。標高で言えば、1300mから1600mをメインに動きましたので、やはり多くの種は花が終わっています。このイブキスミレは朔果が大きくなっていました。
 葉は一段と大きくなって、その基部の凹みに朔果がちょこんと乗るように顔を出している姿がなかなかひょうきんですね。これは春に咲いた花(開放花、普通花)ではなくて、閉鎖花由来の朔果です。イブキスミレは無茎種と見紛う春の開放花の時期を過ぎると、茎が伸びて2枚の葉が開き、閉鎖花ができて結実するという生活パターンで、開放花から結実することは稀だと言われています。確かに学名の如く「不思議」ですね。
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年06月29日

高原巡見記 (10)

 
 標高2300m級の景色を堪能して少し下りてきました。池が多いのですが、時間の経過とともに湿原になった場所もあります。ワタスゲが揺れる高層湿原を見つけたのですが、それでも尾瀬より少し高い1600m級です。一日で通り過ぎるにはもったいないエリアでした。
 湿原でゆっくりして、日が暮れそうでしたので、そろそろに退却しようかと車に向かって上る坂道に、下りる時には気づかなかったフモトスミレがひっそりと咲いていました。葉もなかなか良かったのですが、暗くて絞りを相当開けましたので被写界深度は確保できず、葉の様子はぼんやりとしか写っていませんね。まぁ、こんなこともあります。( ; _ ; )ヾ(^^ )
フモトスミレ
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2008年06月28日

高原巡見記 (9)

 
ニョイスミレ  さて、車両で動く旅は大雑把なスケジュールで出発するので、どこに辿り着くか分かりません(笑)。この日は、ついに新潟県が目と鼻の先である志賀高原までやってきました。すみれ目的ではなくて、ちょっと出向いてみたかったのです。
 それでも何種類かのすみれを見ましたが、既にニョイスミレが成長していて、尾瀬より遥かに標高が高いにも拘わらず、花期を終えたオオタチツボスミレやエゾアオイスミレらしき葉があるだけでした。ニョイスミレは湿った場所が大好きで、一般には水が流れる道端や水が溜まる窪みで見られるのですが、ここでは落ち葉が積もる林下で普通に見られました。朝露等が多いのかも知れないとか、勝手に解釈しています。
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2008年06月26日

根伏せで増える

 
不明の菊葉系雑種  心当たりがない紫と白の花を咲かせる菊葉系のすみれを株分けしました。その際に分離してしまった小さすぎる株と、千切れてしまった根を半分に切って根伏せを試みることにしました。
 底穴のない小さな樹脂製カップにバーミキュライトを入れただけの単純な方法で、うまく運んでしまったようです(笑)。子株は茎を伸ばして元気そうです。根の上端からは小さいけれども一丁前の姿をした株が伸び上がってきました。写真の姿は南方産の葉の多いすみれたちにも似ていますね。これで一年で7株に増えてしまいました。庭が狭いので余り増やさないようにしたいのですが、消えてしまうのも残念。微妙なところです。
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2008年06月25日

挿し木で増える

 
ヒバントゥス・コミュニス  降ったり照ったり、気温が上がったり下がったりの梅雨時に咲いているすみれは限られてきましたね。
 実生から3年目となるヒバントゥス・コミュニスに白い花が毎日咲いています。ご覧の写真で手前の枝ですが、実は挿し木で増やしたものです。縦方向にどんどん伸びるので、強めに剪定して整えた枝を鉢に挿しておきましたら、簡単に根付いてしまいました。これで実生からの親株と二世株、それから親のクローンである挿し木株と結構増えてしまった訳です。低木とは言っても葉がたくさん付くので、今は良いのですが室内に取り込む冬場は落ち葉の世話がたいへんです。
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2008年06月24日

花茎の枝分かれ

 
スミレ(枝咲き)  まだ、高原のお話を終えていませんが、少し骨休めをしましょう。
 このスミレは青紫色の端正な花を咲かせ、育てやすくて良く増える性質でお気に入りなのですよ。ご覧の通り、花茎から小さな枝の花茎が出ています。枝咲きと呼ぶこともありますが、ブランチングと呼ばれる現象です。記憶で恐縮ですが、「スミレ科の植物が遺伝子の奥に基本的に持っている性質が発現したもの」だという話を聞いたことがあります。キク科やラン科の植物では花茎の分枝性は重要な要素ですね。スミレ科の場合も枝分かれすれば効率的なイメージはありますが、植物体が小さくて微妙なところかも知れません。分枝性は閉鎖花由来の種子で遺伝的に継承されています。
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2008年06月23日

高原巡見記 (8)

 
シラユキスミレ  ちょっと悩んだすみれさんです。さて、これは何でしょうね?
 甚だ、心許ないのですが、ニョイスミレの白変種であるシラユキスミレの高山型変種ということで良さそうかなと思っています。正しいと仮定して、名前ですが、ここは敢えて難しく考えずにシラユキスミレとしておきましょう。
 実は、葉の形状から(紫条のない)チシマウスバスミレかと一瞬悩んだのです。まだ、茎が立ち上がっていないので無茎種に見えてしまうところがご愛嬌ですね。すぐ側に自生しているのですが、ここと生育環境は微妙に違います。でも、今年もまた尾瀬のニョイスミレで悩むことになろうとは・・・。
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2008年06月22日

高原巡見記 (7)

 
ミヤマツボスミレ  ここは尾瀬ですから、ニョイスミレというよりミヤマツボスミレということになるのでしょう。ニョイスミレの高山型変種で、昨年は散々迷いました。どうも境界線が不明確なのですが、尾瀬のものは原則としてミヤマツボスミレで良いのだとか。これなら便利?です。(´`;)
 少し違和感のある話ですが、この写真を撮った理由は花が際立って丸く、可愛いかったためですから、今回はどちらでも大きな問題ではありませんね。なにしろ、このエリアには花が丸いもの、潰れたように平べったいもの、赤味が強いもの、白っぽいもの、立ち性のもの、這い性のもの、花の大きさも葉の形状もまちまちなのです。
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2008年06月21日

高原巡見記 (6)

 
 さて、いよいよ高層湿原らしいすみれの登場です。花色が濃くて花弁全体に紫条がきりっと走っているのはオオバタチツボスミレですね。花弁の大きさでは最大級というところでしょう。
 花期には少し早かったようです。株自体は多数確認しましたが、開花株は多くありませんでした。なかなか都合の良い位置・向きで咲いてくれないので撮影にはいつも一苦労です。この時、後方の枯茎を除こうかとも思ったのですが、湿地に入り込むのは避けたいところ。自然のままで撮影することにしたのですが、今思えば、一脚の先でちょいと押せば良いだけだったなぁと思います。(^^*)
オオバタチツボスミレ
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2008年06月20日

高原巡見記 (5)

 
オオタチツボスミレ  尾瀬近辺まで足を運びますとオオタチツボスミレに出逢うことができますね。不思議なもので、オオタチツボスミレが見られる地域ではタチツボスミレは余り見られません。勿論、例外もある話です。
 オオタチツボスミレはいろいろな環境に自生するので、オオバキスミレやミヤマスミレが特定の位置に自生するのに対して、あちらにもこちらにも咲いていました。もうすみれの花は終わってしまった下界から登ってきて、準備を整えて山道を歩き出す、その一歩目にも咲いています。良く来たね!と迎えてくれたようでした。
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2008年06月19日

高原巡見記 (4)

 
 しばらく歩いて足腰がくたびれた辺りでミヤマスミレにも再会しました。観光地ですので人通りが多い道ですが、めげずに常に同じ辺りで咲いています。和名が示す通り、主に高山に自生するすみれですので、結果的に遅い時 期に目にすることが多い部類のすみれでしょう。
 花よりも特徴的な葉の方が覚えやすいと思います。顕著に丸いですね。白い花を咲かせるマルバスミレより葉の丸いのではないでしょうか。群生する性質で、タイミングが合えばたくさんの花をまとめて見ることができます。一斉に 咲き出してパッと散るタイプなのかも知れません。
ミヤマスミレ
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2008年06月18日

高原巡見記 (3)

 
 平地なら5月の連休辺りに最盛期を迎えるすみれたちが、今、普通に咲いている尾瀬です。中でも目立っていたのが、山吹色の花を咲かせて群生するオオバキスミレでした。
 邪魔にならないように小さくなって撮影していると「これは何ですか?」と何度か尋ねられました。「大きい葉の黄色いすみれ、オオバキスミレですよ」と説明すると「なるほどぉ~」と喜んでくれました。音よりも漢字が持つイメージに訴えた方が分かりやすいようです。たくさん咲いていたのですが、コミヤマカタバミとの2ショットが気になって撮影してみました。物語だなぁ・・・と感じるのは私だけでしょうか。
オオバキスミレ
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2008年06月17日

高原巡見記 (2)

 
 尾瀬にやってきました。ここは高原と言うより、高層湿原ですね。群馬、福島、新潟の県境にあり、実は栃木県にも近いポイントに位置しています。
 登場するのは日本海側に多いすみれたちと、高層湿原ならではのすみれたちです。前者のスミレサイシンですが、なかなか綺麗ですよね。こんな感じで咲いている時間は存外短く、風に吹かれれば簡単に花弁が落ち、雨に降られれば色落ちするような儚さを持っています。撮影地ではウマノスズクサ科のウスバサイシンと隣り合わせていて、同行者に命名の由来を説明するには好都合でした。(^^*)
スミレサイシン
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2008年06月16日

高原巡見記 (1)

 
タチスミレ  日差しが強くなった初夏、なんとかスケジュールを遣り繰りして、比較的良好という天気予報を信じて出掛けてみました。予定を1日超過して、高原の「涼」を求めるように走り回った走行距離は1,000Kmを越えてしまいました。
 夕方に近い時間帯に出発する暴挙に出た初日は、平地でタチスミレの様子を見て行くことにしました。いつものポイントは背丈を遥かに超す葦に覆われて手も出ないかと思われたのですが、ちょっと足を出して(笑)踏み分けたら、たくさんの花がそこで待っていてくれました。まだ草丈は60cm前後でしょう。注目すべきはタチスミレの花柄が寄りかかっている6枚の輪生葉です。もしかしたら、絶滅危惧種のハナムグラではないでしょうか。
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2008年06月11日

気軽にお出かけ (4)

 
タチツボスミレ  もう少し早く掲載する予定だったトピックです。3月末、時々登場する「返り咲きの丘」がある公園には桜やカタクリだけではなくて、多くの花木、ニリンソウやヒトリシズカ等の春植物たちが溢れていました。
 タチツボスミレがいっぱい咲いているなぁと思いながらウロウロしておりましたら、ツバキの木下でこのような組み合わせが見られました。前置きをしておきますが、決して演出は致しておりません(笑)。自然に落ちて、タチツボスミレ の傍らに転げて余り時間が経過していないようですね。それでも、少し汚れているのは仕方がないところでしょう。
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2008年06月09日

富士すみれ散策 (10)

 
エゾノタチツボスミレ  エゾノタチツボスミレが花を咲かせ始めたばかりの姿です。これからどんどん草丈を伸ばして多くの花を咲かせます。花期が遅いすみれで、東北・北海道まで行かなくても、標高の高いエリアなら関東甲信越でもまだ花が見られるでしょう。
 土から芽が出た段階から「大きいすみれだなぁ」と感じさせるものがあります。大きさだけでなく、強烈な印象の托葉、側弁の剛毛、太い茎、二つに桃割れしたような筋が入った距など、区別する特徴には事欠きません。それから、何よりも数パターンの印象的な花を咲かせることが最大の魅力だと思います。
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2008年06月07日

富士すみれ散策 (9)

 
ニョイスミレ  これだけ小さい花ですと、どうしてもアップで撮影してみたくなりますよね(笑)。少し暗くなり始めていましたので、十分な被写界深度を確保できなくて、ちょっと苦労してしまいました。唇弁の模様はしっかり写っているのですが、側弁の毛にはピントが甘くなって、雌しべにはもう合っていません。これでも、折りたたみ式のレフ板を使っているのです。この手の白い花は明るすぎてもうまく写ってくれなくて、あの手この手と工夫を重ねることになるのですが、お陰様でいろいろ小道具も増えてきました。必要は発明の母ですね。
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2008年06月05日

富士すみれ散策 (8)

 
ニオイタチツボスミレ  3年前に出逢った「不思議すみれ」に再会してしまいました。とても気に入って、今年の年賀挨拶用に選んだニオイタチツボスミレの変わり花です。通算3回目の登場ということになりますね。
 その3年前には「~、翌年も同じように咲いて、自家受粉で増えたタネから同じイメージの花が咲いたら良いなぁ、~」と記載していました。どうやら実現していたようです。周囲にはざっと見ただけで同じ花を咲かせる兄弟株が幾つか見つかりました。周囲には通常花を咲かせる株もありますので微妙ですが、この遺伝子が長く生き残ったら楽しいですね。
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2008年06月03日

富士すみれ散策 (7)

 
 ここは富士山周辺にしてはキスミレが高密度に自生している方だと思いますが、自然状態では余り目立たないことをお判りいただけると思います。野焼きで真っ黒になった土が露出した山一面に、覆うように花を咲かせる九州のキスミレとは好対照かも知れません。何しろ、すぐ横の整備された道路は人通りが多いのですが、このすみれたちに気が付いている方はほとんどいないようでした。
 キスミレ探しに何日もツーリングをして、ついに諦めた年があったのですが、ある年、一度見つかると次々に見つかりました。人通りの多い場所にも咲いていることが分かって唖然としたことがあって、実はここもそんな自生地の一つなのです。
キスミレ
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2008年06月01日

富士すみれ散策 (6)

 
 ゲンジスミレは個体数が少ないだけでなく、とても目立たないすみれです。いつも気にしながら野山を歩くのですが、残念ながら、なかなか見つかりません。ここは知っている数少ない自生地ですが、個体数が増えているのではな いかと感じました。
 最初に見つけた時、この一帯は樹木が切り倒されて、新たに植樹が行われたばかりでした。当然ですが、光の入り方は大きく変わったのだろうと思います。ここではスミレ、アカネスミレなどの明るい場所を好むすみれたちが元気 に増えていますが、徐々に植えた樹木が大きくなっていますから、いづれは復元して、また環境が変わるのでしょうね。
ゲンジスミレ
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