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2008年09月30日

菫展見聞録 (37)

 
 「すみれの部屋@花の写真館」では、ある程度の知名度があって標準和名が付与されている自然交雑種なら検索できるように登録しています。ところが、昨年、調べられない組み合わせの自然交雑種と出くわしてしまいました。そうなんです。比較的身近な組み合わせでも標準和名がない、または定着していないこともあるのですね。
 この写真の場合、平地のすみれと亜高山のすみれの組み合わせですから、決して身近ではないので人工交配種だろうと推測しています。展示札には「ヒメスミレ x フイリミヤマスミレ」と記載されていました。濃緑色の葉に白斑が綺麗に入って、そこに微妙に赤味もある青紫色(?)の花が雅な雰囲気を醸し出しているように感じました。
和名なし(ヒメスミレ x フイリミヤマスミレ)
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月28日

菫展見聞録 (36)

 
 ちょっと見ただけではなかなか分からない菊葉系ハイブリッドの一つですが、なんと、これでもスズキスミレだそうです。スミレとヒゴスミレの組み合わせですから、多彩な発現形態が見られても不思議はないのですが、これは細身で準白系で、ちょっとフリンジ咲き風の花ですね。
 キリッと赤い花から、紅色、薄紅、準白の花まで見たことがあります。資料で知っているだけですが、ニシキスミレを片親とする綺麗な斑入りのスズキスミレもあります。もしかしたら、スミレの白変種由来の純白の花も存在するのかも知れませんね。その他に4倍体の大柄な系統あり、スズキスミレだけをズラッと並べることもできそうですね。
スズキスミレ(白花系)
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月26日

菫展見聞録 (35)

 
 交雑種の話題をもう少し続けることができそうです。綺麗な紅色の花が不思議な葉にマッチしているように見えませんか。これはエイザンスミレとヒカゲスミレの交雑種でスワスミレと呼ばれています。諏訪湖の諏訪、つまり信州長野では時々見られる自然交雑種だと聞きます。
 さて、葉の色が黒褐色ですが、展示札によりますと「スワスミレ(ハグロスワスミレ)」と注釈が付いていました。昨年見せていただいたものと同じ系統だとすれば、エイザンスミレ(大輪型)とタカオスミレの組み合わせだったように記憶しています。淡い紅色の花は緑色の葉にも合いますが、黒褐色の葉の方がより映えますね。
スワスミレ(ハグロ型)
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月24日

菫展見聞録 (34)

 
 この淑やかな薄紅色のすみれは何者でしょうか。展示札に依りますと、(例によって俗称ですが)ウスベニヒゴスミレとあります。「え~、これがヒゴスミレなのかぁ!」と感嘆の声を上げてしまいそうになりました。確かにヒゴスミレには、花弁に滲むような紅色が入るものがあり、実際に肥後(熊本)で自生品を観察したことがあります。でも、これはなかなかの逸品ですね。以前、ここで展示されていた紅色系のヒゴスミレとも少し違う印象です。その時の個体は真綿のような地色の上に、もっと華やかな紅色が乗っていました。その花にもハッとさせられましたが、この花は優れて佳色だと感じます。
ヒゴスミレ
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月22日

菫展見聞録 (33)

 
 神奈川で開催された展示会の話が33回目に至っていますが、もう一度じっくり観察して情報を整理するだけでも勉強になりますね。新たに知得する情報は勿論、思い違いを発見したり、複合的に再確認が進む感じが気持ち良くて、もう一歩すみれたちが身近な存在になったような気がします。
 さて、今回のアリアケスミレは頬が紅色に染まっています。とても可愛いこともあり、ベニバナアリアケスミレという俗名が記載されていましたが、庭のプランターで育てていた中からソックリの花が出た経験もあり、特別なタイプではないと思っています。
アリアケスミレ
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月19日

菫展見聞録 (32)

 
 スミレの多彩な変化を見ることができました。その変化が誰の目にも明確で、古い時代から栽培されているものには和名が付いていることがほとんどです。葉に黄色と淡赤色、部分的に白色の斑が入るニシキスミレは典型例でしょう。ある資料には江戸時代から栽培されていると記載されていますが、信頼できる情報なのか分かりません。いづれにしても、この形質は遺伝的に安定していて、交配しても発現するようですから劣性形質ではないようですね。近くで見ると美しい斑なのですが、花とセットするとキリッとしないイメージを醸し出してしまいます。なかなかうまくはいかないものです。
ニシキスミレ
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月17日

菫展見聞録 (31)

 
 白花系のスミレの話が続きましたね。せっかくですので、この流れで紅花系のスミレも紹介しておきましょう。やはり、展示札にはベニバナスミレという俗称が記載されていましたが、この表現も誤解が生じますのでお奨めすべきではないのでしょうね。花弁がふっくらした優良株です。小豆色と呼ばれる色合いに近いかも知れません。もう少し鮮やかな赤味を持つ花を野山でも比較的多く見掛けますので、色としては「普通」の範疇でしょうか。
 シロバナスミレという表現を使う方がアカバナスミレと使ってしまうこともあるようですが、九州北部に自生するエイザンスミレに似た印象を持つ赤味の強いすみれを指す時と同じになってしまいます。ここはスミレ(赤花系)とでも記載しておきましょう。
スミレ(紅花系)
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2008年09月15日

菫展見聞録 (30)

 
スミレ(白変種)  黄緑色の花茎に真っ白な花が咲いています。とても魅力的な花ですね。これはスミレの白変種ですからシロカネスミレと違って純白で、野山でも時々見られます。
 展示札にはシロバナスミレと記載されていました。そのような俗称で呼ばれることも確かにありますが、高原に咲くシロスミレや白っぽいアリアケスミレも全く同じ俗称で呼ばれることがありますので、お奨めできる表現ではないように思いますね。白変種という言葉は植物学用語で堅苦しいので、スミレ(純白)などと表現するのは如何でしょう。これなら、紫条が見られるシロスミレやアリアケスミレと混同されることは少ないかも知れません。
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月13日

菫展見聞録 (29)

 
 大人しいイメージで淡い白系の花を咲かせているのはシロカネスミレ(スミレの品種)です。以前にも、この展示会で見せていただいたのですが、相変わらず花弁がとても細いですね。園芸店や他の展示会では普通のスミレ並みの花も見ているのですが・・・。
 幾つかの資料を再読すると確かに花弁は細めと書いてありますが、多くの写真を見る限り、ここの個体はやはり細過ぎるようです(笑)。もしかしたら、細いというよりも長いのかも知れませんね。それから、白花というより、(ご覧の通り)細かい紫条がシッカリ入った白っぽい花と表現した方が相応しそうです。
シロカネスミレ
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2008年09月11日

菫展見聞録 (28)

 
 こんなふうに鉢で咲かせることができるものなのでしょうか。驚いてしまうのですが、今回登場しているのは、なんとゲンジスミレです。
 母種のフイリゲンジスミレは栽培しようとすると気難しさを発揮しますが、ゲンジスミレも似たようなものではないかと思います。育てたことはありません。自生品はポツリポツリと離れて咲くことが多いのですが、一方で繁殖力は強い方なのだそうです。鉢を放置すると思いもよらず場所から芽が出て来るという話も聞いたことがあります。いづれにしても、写真のように大量のこんもりとした花を一気に咲かせる技術は「素晴らしい」の一語に尽きますね。
 今日は2008.09.11、「9.11」という響きには心がとても沈んでしまいます。TV放映された悲劇だったから?確かに、もっと悲惨な出来事は少なくありませんが、余りにリアルだったからでしょうか。つくづく思い知るのは平和こそが何よりも大事だということです。
ゲンジスミレ
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2008年09月09日

菫展見聞録 (27)

 
 唇弁に入る赤味の強い紫条が自慢げに見えるアマミスミレがたくさんの花茎を上げていました。とても小さい花を持つグループのすみれですが、花の訴求力というか、印象が鮮明で魅惑的ですね。
 鹿児島県の奄美大島だけに自生するという情報が発信されることもありますが、沖縄本島の北側、つまり、やんばるの森にもひっそりと自生しているようです。どちらも個体数が減少しており、絶滅が懸念される種になってしまいましたが、適した環境では苔のように一面に株を拡げる性質のすみれですね。できるだけ早い時期に逢いに行きたいところなのですが・・・。
アマミスミレ
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2008年09月07日

菫展見聞録 (26)

 
 今回登場したのは、植物全体としてもユニークな存在であるコモロスミレです。ご覧の通りの重弁咲き、いわゆる八重咲きになるスミレの品種ですね。通常、花は紫色ですが、園芸品種として白花系(濃い紫条が入る)や赤花系(全体に赤味が強い)も流通しているようです。
 ユニークというのは、スミレ属のような左右相称花で重弁となる例は余り多くないという点で、加えて、それでも種子繁殖できるという特徴が2点目になります。一般に重弁咲きは雄しべや雌しべが花弁化して起きる現象ですから、同時に生殖機能を失ってしまうのが普通です。ここで、スミレは閉鎖花で純系の種子を作る性質があることを思い出して下さい。閉鎖花による自家繁殖においては花弁化云々は無意味なのですね。
コモロスミレ(白花系)
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2008年09月05日

菫展見聞録 (25)

 
 かなり中途半端な写真で申し訳ないのですが、太い距を持って黄緑色を帯びた白い花、柔らかい微毛を帯びた茶褐色の葉となるとタカオスミレ言いたいところです。実は、じっくり見ないと分かり難いのですが、葉の形が瓢箪か鉾(矛)に似ているアソヒカゲスミレです。
 阿蘇近辺の限られた地域で限定的に見られる変種というのが一般認識ですが、「原色日本のスミレ」の浜栄助氏は1976年に「アソヒカゲスミレ広島県に産す」というリポートを発表しています。そして、その場所ですが、どうやら昨年の春にタカオスミレに出逢ったエリアのようです。知っていれば、もう少し丹念に探すところでした。事前調査はとても大事だということですね。
アソヒカゲスミレ
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月03日

菫展見聞録 (24)

 
ツクシスミレ  今年、最もワクワクさせてくれたすみれはツクシスミレだったのかなぁと思っています。なんとか自生地を探し出そうと準備段階では四苦八苦しましたが、結果的には運良く出逢うことができました。実は展示会でじっくりと、植物園でもたっぷりと観察できると調査済みでしたので、自生地では咲いていれば良いとばかり、見つからなければ6拠点を巡るつもりだったのです。
 驚かれてしまうかも知れませんが、既に来年の予定を組み始めています。日本は東西に細長い国とは言え、個々のすみれの花期は限られていますので、直近の気候によって出発を若干前後させるゆとりを持とうとすると、スケジューリング作業はなかなか難しいのです。
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2008年09月01日

菫展見聞録 (23)

 
 爽やかな花をたくさん咲かせているのは、展示札の表現で紹介すると「コスミレ(春紫)」です。春紫という表現が花の色を示すのだとすれば、ネーミングとしては「なかなかに言い得て妙」というところでしょうか。
 ところで、いつも思うのですが、どうしてこのすみれに小菫という名前が付いたのでしょうか。植物体や花を見る限り、小さいグループに分類される特徴は持ち合わせていません。それから、学名の japonica は「日本の~」という意味ですが、決して日本固有種という訳でもありません。「言い得て妙」とまではいかなくても、「なるほどね」という程度の感触は欲しいところではないでしょうか。
コスミレ(春紫)
<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。