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2011年05月31日

北上川流域の春(11)

 
 花がてんこ盛りで咲いていますが、多くはタチツボスミレで、一部にオオタチツボスミレが混じっています。1枚目の写真で見ると、ほぼ中央で偉そうに見下ろしている距が白くて葉が大きいのがオオタチツボスミレですね。もう少し混じっているのですが、まぁ、この写真のサイズでは見つけるのに骨が折れそうです。
 前回の中途半端な距を持つタチツボスミレと異なり、こちらのタチツボスミレでは適度の長さを持つ距にほんのりと色が乗っています。花茎には同様に白い微毛があるようです。細かく分けたい方はケタチツボスミレと呼ぶ型でしょう。実は、花が咲いているの場所は大きな岩の上なのです。苔生した岩の上に木の葉などが降り積もって、それを覆い隠すようにたくさんの花が咲いているのです。このような岩と花のコラボはあちこちで見られ、夢中になって、しばらくシャッターを切っていました。
タチツボスミレとオオタチツボスミレ

<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2011年05月30日

北上川流域の春(10)

 
 さて、これが問題の「距の長さが中途半端なタチツボスミレ系の花」です。距は白いですね。上弁も反り返っています。少しだけ写りこんでいる葉も先端が少しとがって見えます。では、ナガハシスミレなのかというと、どうも怪しい感じですね。以前、この山で見掛けたナガハシスミレは「これでもか!」ってくらい、極端に距が長かったのを覚えています。
 なにしろ、この自生地にはタチツボスミレとオオタチツボスミレ、それからナガハシスミレが同居しています。疑問も残しながら、自分なりにタチツボスミレだろうと判断しました。ただ、花茎に白い微毛が目立ちますね。因みに、付近で見られるオオタチツボスミレは花茎はつるっとしていて、タチツボスミレには毛があります。いづれにしても、タチツボスミレの典型品でないことは確かですが、なんらか混血の痕跡ありと見た方が良いのでしょうか。
タチツボスミレ

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2011年05月29日

北上川流域の春 (9)

 
 ナガハシスミレが見つからないまま、少し山道を歩いていたのですが、我が母親は一面のフキやゼンマイ等の山菜が気になって、ついに袋を取り出して山菜取りモードに入ってしまいました。まぁ、戦前のお嬢さん方には一般に見られる現象です(笑)。
 その袋が膨らんだ頃、カーブを曲がって山の環境が少し変わったと感じたところで、雰囲気の異なるすみれが咲いているのを見つけました。わー、アケボノスミレですね。その辺一帯に相当数の個体が見られました。記憶では、岩手で、正確には東北で初めての出逢いではないかと思います。関東甲信越で見掛ける個体群より花が小さめで、花茎も短い印象です。ここでは花期の時点で葉の方もそれなりに展開を始めていますね。花が終わる頃に葉がやっと展開するという既成のイメージとは異なる姿に見えました。
アケボノスミレ

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2011年05月28日

北上川流域の春 (8)

 
 オオバキスミレを見て喜んでもらったので、ここはナガハシスミレも!と欲張ったのですが、結果的には見当たりませんでした。青森や秋田では探すまでもなく見つかり、岩手県内でも、奥羽山脈方面では多く見かけます。今回は北上山系ですが、以前に見た場所なので見つかると思っていました。距の長さが中途半端なタチツボスミレ系の花があったのですが、そのお話は後日。
 山道の路肩に唐突な感じで花を咲かせていたのはスミレです。葉身が細めですね。付近では田んぼの畦など、あちこちにスミレが咲いているのですが、皆、比較的標準的な葉を持っていたのに、これは独特ですね。そう言えば、花の色も浅い感じです。ふと、高校のグラウンドの隅に咲いていたキッと濃い紫色の丸い花を思い出しました。その葉はアイスキャンデーと呼んだ冷菓の「くし」を連想するような鉾の形でしたね。この日と同じで、春とは言え、汗ばむような太陽が射す午後の記憶です。
スミレ

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2011年05月27日

北上川流域の春 (7)

 
 元来、花期の遅いニョイスミレですが、撮影した5月中旬でここまで展開していました。全体的に春が遅れていた感じに見えたのですが、一気に「すみれの季節」が通り過ぎようとしているようです。ちょっと、寂しいですね。
 花はとても小さくて決して目立つ存在ではありませんが、なにしろ、大量に花を咲かせます。一つ二つと咲き始めた頃には余り気づいてもらえなくても、このように繁茂すれば少しは目に留まろうというもの。花期が遅いと申し上げましたが、おそらく、花期が長いのだろうと思います。一面に拡がって「ニョイスミレが咲いている!」と気付いてもらうまで時間が掛るということならば、地味で健気な努力家なのですね。ただ、その繁殖力をみくびってはいけません。もしかすると、一つの株が産み出す種子の数ではピカ一かも知れません。
ニョイスミレ

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2011年05月26日

北上川流域の春 (6)

 
 まるで無茎種のような姿で大きな花を咲かせているのはニオイタチツボスミレです。発芽が遅れていたところに急に気温が上がり、驚いて花を咲かせてみた!という図でしょうか。周辺は赤松林で、見た目より柔らかい赤松の細い葉がふかふかのクッションのように降り積もっています。強烈な太陽は適度に遮光されるけれども基本的には明るい環境、これがニオイタチツボスミレやスミレなどにはぴったりマッチしているのでしょう。
 日本に自生するすみれたちは多くが無香または微香で、更に短期間で消えてしまう傾向があります。でも、ニオイタチツボスミレの場合、このように花をキリッと咲かせている間は裏切られることが少なくて、さわやかな香りを楽しむことができます。ただ、芳香の強さと芳しさでは、名前が「匂い」などと形容されていないシハイスミレがピカ一ではないかと思っています。
ニオイタチツボスミレ

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2011年05月25日

北上川流域の春 (5)

 
 鮮やかに濃い緑色の葉に白い斑がしっかり見えているのは、これまでに何度が登場したことがある北限のフモトスミレ(フイリフモトスミレ)です。今度は南北の話になりましたね。面積の大きい岩手を南北に輪切りにして、南から四分の一ぐらい北上した辺りが北限だそうです。つまり、ここから北へ行くとフモトスミレに出逢うことはできなくなります。
 おもしろいことに、昔の藩で言えば、この辺が伊達藩と南部藩の境界になります。各地を歩くと感じることがあるのですが、出羽とか吉備という古い国の領地は、気候や風土の境界と不思議に一致していると思うことがあります。更に、その内側にある村(邑)などの区域も言葉等の文化圏であったり。ただ、平成の大合併で訳が分からなくなったのが実態でしょう。因みに、県南部には奥州市という東京23区の1.5倍に匹敵する巨大な行政区分ができてしまいました。まるで風土や言葉の境界にはなりません。
フモトスミレ

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2011年05月24日

北上川流域の春 (4)

 
 やはり、雪国のすみれの代表格の一つであるスミレサイシンです。ご存知の通り、スミレサイシン類の仲間はナガバノスミレサイシンが太平洋側に、スミレサイシンが日本海側に、そしてアケボノスミレが中間部に分布すると言われます。当然ですが、これは大雑把な説明であって、アケボノスミレなどは比較的広く分布していますね。
 岩手は太平洋側なのですがナガバノスミレサイシンは自生しておらず、スミレサイシンとアケボノスミレが見られます。(例によって岩手県南部での話ですが)スミレサイシンが奥羽山脈付近に、アケボノスミレが北上山系に住み分けているようです。また、すみれ一般に、太平洋側に多く分布する種と日本海側に多く分布する種が、北上川を境界線として東西に住み分けているように見えます。
スミレサイシン

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2011年05月23日

北上川流域の春 (3)

 
 雪国のすみれを幾つかご存知のことでしょう.。これもその一つであるオオタチツボスミレです。ただ、単純に北海道、東北地方のことだろうと思うのは短絡的に過ぎるかも知れません。中国地方や九州北部もそれなりに雪が降りますよね。この種の分布をみますと、確かに雪との関連が大きいとみられ、太平洋側には極めて少なく、北海道から日本海側をなぞるように福岡や長崎まで分布するようです。
 おもしろいことに、タチツボスミレとの相互占有関係にも特徴がありそうです。岩手県南部の幾つかのポイントを見ると、秋田との県境に当たる奥羽山脈付近ではオオタチツボスミレがとても多いのですが、これに対して、北上川流域から北上山系では半々程度の混成が見られ、海岸に近い地域になるとオオタチツボスミレの個体数はぐっと少なくなってきます。
オオタチツボスミレ

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2011年05月22日

北上川流域の春 (2)

 
 この日、実家の家族を連れて、秋田県境に近い山間の小さな町までドライブに来ました。目的はオオバキスミレです。一昨年、この家族を連れて阿蘇くじゅう国立公園を走り回り、山一面のキスミレを見せてあげることができたのですが、自宅から車で小一時間の距離に黄色いすみれが咲くとは知らなかったそうです。高校卒業と同時に郷里を離れているのに、すみれに関する限り、どこに何が咲いているかを良く知っているというおかしな息子は、山道に車を止めて嬉しそうに案内をする訳です(笑)。
 先ず、カタクリの群生が目に留まったのですが、これだけ多く咲いている光景は見たことがないと言います。これは意外でした。では、オオバキスミレにカタクリ、ニリンソウにエゾエンゴサク、紫と白のキクザキイチゲが一面に混成する斜面は見たことがなかったことでしょう。雨が降りそうな気配でしたが、ここまで来てよかったようですね。
オオバキスミレ

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2011年05月21日

北上川流域の春 (1)

 
 震災から2か月。奥州街道をゆっくり北上して、丸一日をかけて北上川の流域までやってきました。北上盆地で出逢ったすみれたちを順不同で紹介しようと思います。
 写真は既に果実ができているマキノスミレです。周辺を捜しましたら、花も一つ二つと見られましたが、多くは花期を終えていました。へぇ、こんなマルバスミレ風な果実だったのですね。この自生地は子供の頃に遊んだ低山です。少し前、実家から「このすみれは何?」というメールが来て、「え、マキノスミレじゃないか!」と驚いたのですが、実際に目にして、如何に観察が足りなかったのかを思い知らされました。「故郷(ふるさと)再発見」のつもりで少し探索してみようという気持ちがあったのですが、このすみれが背中を押してくれた感じです。
マキノスミレ

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2011年05月20日

富士周辺を歩く(19)

 
 今春、2度出かけたこともあり、長く続けてきた富士山近辺のすみれたちのお話でしたが、一応、今回で締めとすることにしました。最後に何を持って来ようかなぁと思い巡らしていたのですが、結局、この涼しげな表情のナガバノスミレサイシンを選びました。この自生地は、実際に涼しい場所で、狭い空間に集中して自生しています。
 この個体ですが、葉が長いだけでなく、花茎もずいぶん長いのが特徴です。花の色は独特な青紫色ですね。ここには、もう何度も来ているのですが、例外なく、このような姿なのです。以前、ここには分かり易いナガバノアケボノスミレがあったのですが、現在の個体群が残って一帯を支配しました。実は、これもナガバノアケボノスミレではないかと疑っているのですが、分かり難い姿ですね。明らかに地下茎で増えています。ナガバノスミレサイシンと戻し交雑したのではないかと推測しているのですが、現状、証明する術がありません。
ナガバノスミレサイシン

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2011年05月19日

富士周辺を歩く(18)

 
 二度目の登場になるゲンジスミレです。前回は、やっと夕方に見つけたという話でしたが、今回は、既に咲いていることが分かっている晴天の自生地に、翌日の昼になって撮影目的で再度やってきた話です。
 葉が暗い色なので、昼の方が撮影しやすく、おとなしい花の色もしっかり出ると期待した訳ですね。この花びらの色ですが、ピンク色というより、極めて淡い小豆色と表現した方が妥当ではないかと思っています。右下に見える開花前の花びらをご覧いただければ分かりやすいかも知れません。しっかり開花した花の表面はかなり白っぽくなります。
 葉にうっすらと白い斑が見えていますが、これをもってフイリゲンジスミレと表現してはいけない事情があります。中国や朝鮮半島に分布する母種には和名があって、これがフイリゲンジスミレなのです。普通の命名感覚ではありませんが、仕方がないのでしょうね。
ゲンジスミレ

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2011年05月18日

富士周辺を歩く(17)

 
 なんだか寒そうに首をキュッと縮こめているのはフモトスミレです。葉の表面側に薄い白斑が見えていますから、フイリフモトスミレと呼んで良いのかも知れません。まぁ、境界線付近の個体は撮影者の感覚で呼ぶことにしましょうね。
 この個体は分かりやすい姿ですが、神奈川から静岡辺りではヒメミヤマスミレ風、まだ延び切っていない頃のニョイスミレ風の個体が混在していて、悩んでしまうことが少なくありません。実際、ヒメミタヤスミレをフモトスミレとして紹介しているサイトは少なくないようです。当サイトにしても怪しい部分を含んでいるかも知れません。微妙な変化もありますから、花で見極めることは難しいところでしょう。
 未確認ですが、この個体は東日本型などと呼ばれる型ではないかと思います。西日本型はもう少しスッキリした印象ではないでしょうか。大きく東とか西とか言われるだけであって、地理的な境界線が明確なのかについては認識が不十分です。
フモトスミレ

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2011年05月17日

富士周辺を歩く(16)

 
 一昨日、友人からキスミレがいっぱい咲いているとメールが届きました。どうやら、以前よりもう少し標高の高いところまで登ったようです。
 実は、その場所、初キスミレを観察できた場所だと記憶しています。すみれ仲間と登ったのですが、この山を知る先達が夕方から登ろうと言うので慌てて止めたことを記憶しています。「大丈夫!」との言でしたが、翌日、改めて登って皆がヘロヘロになり、とても大丈夫ではありませんでした(笑)。
 今年、同エリアのキスミレを最初に観察してから既に3週間経過しています。今が満開とのことですから、かなり標高差があることを物語りますね。
 少し前に母親を伴い阿蘇にキスミレを見に行ったのですが、同じ火山である富士周辺にも咲くという説明をしました。自生株数がまるで違うだけでなく、阿蘇ではキスミレが山を支配しているかのような咲き方ですが、富士では他のすみれたちと住み分けていて、少しほのぼのとした感じですよね。
キスミレ

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2011年05月16日

富士周辺を歩く(15)

 
 今年はマルバスミレとの出逢いが多いようです。それから比較的に端正な花が多くて撮り甲斐がありました。
 友人に「あまり葉が丸くないことも多い」という話をしましたら、納得できないような顔をしていました。山の麓では余り見られないフモトスミレ、特に小さくないコスミレなんて代物もあります。トウカイスミレやフモトスミレの方がずっと小さいですから(笑)。
 少し情報も語りますと学名のV. keisukei は日本初の理学博士、伊藤圭介氏に献名されました。なんと彼のシーボルトの弟子ですね。日本にリンネの植物分類法を知らしめ、「雄しべ」等の言葉も生み出した人物で、マルバスミレの他にも、イワチドリやスズランなどの学名にも名前を残しています。
 初めて意識した白い花を咲かせるすみれでした。パンジー以外で白いすみれがあるなんて、まだ知らなかった頃の話です。黄色いすみれに憬れるのは、更に後の話になります。
マルバスミレ

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2011年05月11日

富士周辺を歩く(14)

 
 空中湿度が高く、周囲より気温が低く保たれている木陰で、ほぼ真っ白なエイザンスミレが美しい姿でたたずんでいました。花の中央部はヒカゲスミレ風に黄緑色をしており、距もほぼ白色です。
 エイザンスミレにも白変種はありますが、これは葉柄に赤みが見られ、花びらには紫条もあって、白変種とは違いますね。でも、普通なら花のどこかに紅色が見られるものですが、その気配がまるでありません。
 夢中になって撮影していました。でも、実はとても狭い崖のような場所に咲いていて、もう一歩下がるとか、位置を変えるいう自由が制限されていて、四苦八苦しながら撮影しています(笑)。
 とても清楚なイメージのエイザンスミレですよね。過去のストックを探してみたのですが、このイメージの花は初めてだと思います。上の方にも咲いていたという情報がでしたが、結局、探し出せませんでした。でも、ここでは楚々としたヒナスミレも撮影していて、嬉しくなる自生地です。
エイザンスミレ

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2011年05月10日

富士周辺を歩く(13)

 
トウカイスミレ  さて、また夕日と追いかけっこでトウカイスミレの自生地にたどり着きました。先週の様子では、まだ花は咲いていないだろうという予測の一方で、それでも一輪なら咲いているかも知れないという期待があったのです。
 今日は3人連れになって、地面を這うようにして探してみました。カラカラに乾いた昨年の落葉の下から小さな葉が顔を出しているのですが、花は見当たりません。やっと1mm程度になったばかりの蕾を見つけたところで、諦めムードが漂います。その時、連れが「あれー!」みたいな声を出すので、その方向を確かめてみると、おや、白い花が一輪咲いているではありませんか。
 友人は2年越し3度目で、やっとトウカイスミレの花を目にすることができたのです。とても小さいのですが、写真では大きさが今一つピンと来ないことでしょう。花の後ろの丸い葉が直径約11mm、手前の葉になると直径約7.5mmというところです。

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2011年05月09日

富士周辺を歩く(12)

 
 前日の夕方に辿り着いたゲンジスミレが咲く丘にはアカネスミレも咲いていました。太陽に向かって緩やかな斜面ですから、陽だまり好きなすみれたちが多く咲くのですが、意外にも目立たちません。すみれたちにとっては得難い自生地なのでしょう。
 連れが、この山の地主さんと話したようで、下の斜面の方がすみれが多いと説明したとか。昔、そこも探索したので、ちょっと疑問が湧きあがります。もしかすると、さらに下方の話をつい口にしてしまったのかも知れません。そこには日陰が好きなすみれたちの自生地があるのです。
 この明るい方の自生地にはタチツボスミレやヒゴスミレ、アケボノスミレも見られます。もう少し時間が経つとエゾノタチツボスミレも出てくるので一粒で何度もおいしい丘ですね(笑)。更に、近隣にはエゾアオイスミレ、ナガバノスミレサイシン、ヒナスミレ、イブキスミレ、エイザンスミレと次々に咲き出す嬉しい場所で、頻繁に訪ねてみようという気持ちになる訳です。
アカネスミレ

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2011年05月08日

富士周辺を歩く(11)

 
 目的のある人しか通らなくなった古い道には楽しいことがいっぱいあります。まだすみれたちなどが咲き出していないかのように見える静かな林にも、よく目を凝らせば幾つかのすみれが見られます。きれいなイブキスミレの近くには、かわいいヒナスミレも咲いていました。
 やはり、可憐と言えばヒナスミレが筆頭に挙がりますね。ただ、葉が傷んでいます。良く見ると、花びらも欠けているような・・・。しばらく観察していましたので、実は犯人を目撃しています。小さくて黒いケムケムさんでした。写真も撮影していますが、嫌いな方もいらっしゃるでしょうから、今回は持ち出さないことにしました(笑)。
 先週来、ヒナスミレの特徴的な葉を多く見かけましたので、近隣の自生数はボチボチ多いようです。でも、タイミングの問題なのでしょうが、花はやっとここで見かけました。とても嬉しくなりますね。
ヒナスミレ

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2011年05月07日

富士周辺を歩く(10)

 
イブキスミレ  少しご無沙汰のイブキスミレに逢いに来ました。相変わらず、おきれいで!(笑)
 ご無沙汰と言いましても、昨年、群馬県で行われたイベントに参加させていただき、少し雰囲気の異なるイブキスミレを観察してきました。やはり、地域変化を見比べるのはおもしろいですね。
 さて、撮影地は近隣に幾つかある自生地の中で少し標高の高いポイントです。過去の記録では、既に葉がこんもりとして花が真っ盛りだろうと想定していたのですが、現実にはまだ咲き始めたばかり。周辺は早春の様相です。先週も感じたのですが、わずかな標高差や太陽との位置関係で、植物たちの生育度合いがまるで違っているようです。後で知ったことですが、若干低い位置にあるポイントの方では良く咲いていたとか。例年ならば、既に花を終えている時期でもあり、近くまで行きながら、残された太陽の時間からスルーしてしまいました。少し残念でしたが、多くの美しい花に出逢っているのですから、贅沢を言ってはいけませんね。

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2011年05月06日

富士周辺を歩く (9)

 
ゲンジスミレ  最初に到着したポイントでも幾つかの種が咲いていたのですが、重複もあり、全てを紹介していると先に進めません(笑)。この日は太陽の位置を気にしながら、慌てて次のポイントへ移動します。
 少し迷って、ぎりぎり順光が期待できそうな場所へ急ぎます。夕方の赤みを帯びた光線が斜めに差し込む頃、やっと見つけたのはゲンジスミレでした。嬉しいことに株数が増えているような気がします。源氏物語からの命名にしてはおとなしい姿だと思います。明るく乾燥した斜面に咲いていることが多く、枯れた草や落葉に埋没するように静かに咲く花も葉も決して目立ちません。おそらく、そこの咲いていると知らなければ、見過ごすこともあるでしょう。でも、ここは少しの運に恵まれて、偶然に見つけた自生地です。
 周辺には他にもいろいろなすみれたちが同居しているのですが、ここには翌日に改めて訪れることになりますので、幾つかは後日登場します。

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2011年05月05日

富士周辺を歩く (8)

 
 箱根に出かけた翌週はゴールデンウィークです。その初日、不覚にも出発で出遅れ、ナビには事故と故障車マークがゾロゾロ。中央道はまるで進みません。食事もままならず、目的地に到着した頃は、山を降りてくる方ばかりでした。歩き始めて周囲を見ると全体にまだ早春の様子です。残り時間から、少し登った段階で早々に見切りをつけました。
 どうやら、登山道下の方が花を観察できそうです。程なくアケボノスミレを見掛けて、気分が少しだけ軽くなる思いでした。濃厚というのか、深みのあるピンク色です。花茎手前でくるっと巻いている緑色の葉はアケボノスミレのものですが、その更に前で既に展開しているのは・・・。記憶があいまいでしたので、別角度の写真を探してみたところ、どうやらタチツボスミレの葉のようです。
 特にアケボノスミレは花期が早いという訳ではありませんが。気温が上がると、突然、花茎を地表に出して花を咲かせます。速攻型ですね。
アケボノスミレ

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2011年05月04日

富士周辺を歩く (7)

 
ヒゴスミレ  箱根最後のすみれは、街中の石垣であでやかに白い花を咲かせていたヒゴスミレです。まぁ、これは園芸種として市販されているもので間違いないと思います。
 丈夫で育てやすく、整った形の白い花をいっぱい咲かせてくれる優良なDNAを持ち合わせていて、山の中で見ても分かることでしょう。野山の自生品とは一線を画していて、ある意味では別の種なのかも知れません。そう言えば、自生品と交配を試みたという話は聞いたことがありませんが、不完全稔性を示したりしたものなら、笑ってしまいますね。
 たまたま友人は、都内で驚くほどに密集して群生するヒゴスミレを目にしていますから、ヒゴスミレは多花性だと記憶してしまうかも知れません。現実には、多くの場合、ぽつりぽつりと離れて生えており、花の数も決して多くはありません。
 さて、太陽が高い位置にある内に箱根を離れて、富士山を半周して、一番に登場したキスミレに出逢うことになります。次回は1週間後のお話です。

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2011年05月03日

富士周辺を歩く (6)

 
 紛らわしい写真で恐縮ですが、花の手前にある葉は別の植物のものです。花茎が出ている茎元に小さく見えているのが、このすみれの葉だと分かれば、分かりやすいですね。薄紅色の花を咲かせるエイザンスミレです
 実のところ、花は比較的変化に富んでいて、写真の花のようにふっくらと丸くて、フリルのようなヒラヒラになっているものばかりではありません。もっと淡白で目立たない花も多く、色合いにしても紅色の濃淡のみならず、ほぼ白い花も珍しくありません。
 関東に自生するエイザンスミレとヒゴスミレについては判別に迷うような個体は少ない方なので、この日は特に説明を要しませんでした。ただ、九州など、地域によっては甚だ悩ましい個体群が見られるようですから、細部にこだわった説明が必要だったことでしょう。後日、白花と出逢うのですが、その話はもう少し先ですることにしましょう。
エイザンスミレ

<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

2011年05月02日

富士周辺を歩く (5)

 
 なにやら白くて小さな花が咲いています。あれ、これは何でしょうね!
 真上からの視点では無茎種に見えたのですが、良く見ると有茎種のようです。葉の特徴からするとニョイスミレなのでしょう。実は、富士山の周辺には花茎を妙に長く伸ばすフモトスミレや、ニョイスミレに似た花を咲かせるヒメミヤマスミレも自生していてドキドキさせられるのです。右下の赤い茎が枝分かれしていて、有茎種と分かったのでホッとしました。まぁ、こうしてローアングルから撮影した写真を見れば迷うことはなさそうです。
 実は、この場所に来るまでにニョイスミレを見なかった訳ではないのですが、まだ葉だけでした。一般に、もっと群落を作って低い位置で花を咲かせていることが多い種です。同行の友人が、この単独で背の高い個体をニョイスミレと覚えても良いのでしょうが、後日、群落に出逢ったら逆に迷うことにならないでしょうか。心配症になってしまいました。
ニョイスミレ

<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。

富士周辺を歩く (4)

 
ニオイタチツボスミレ  すっきりした青紫の花ですが、さて、これは何でしょう。どうやらニオイタチツボスミレのようですね。でも、何か雰囲気が異なります。あ、花の中心の白い部分が極端に少ない!
 あるべき特徴が、あるべき場所にないと、まるで違って見えるもの。同行の友人はすみれの図鑑を買ったばかりですから、余り悩ましい型ではなく、一目でわかるような典型株を見せたいところですが、山道での偶然ですから仕方がありません。
 葉がタチツボスミレに比べて丸めであるとか、形状の違いで説明しようと試みたのですが、根本的に顕著な違いがある訳でもなく、具合が悪いことに、目の前の個体は葉先が妙に尖っています。書籍を開いて「普通はこのように中心が白い」と説明していたら、なぜか中心が白いタチツボスミレの群落が現れました。意地の悪い山道です(笑)。

<紹介>趣味のサイト「花の写真館」は、基本サイトの「四季の山野草」、そこから独立した「すみれの部屋」「イカリソウの部屋」、サイドストーリー「野の仲間たち」等で構成されています。特に「すみれの部屋」には多くの方に訪問いただきました。サイトの一部「徒然草=つぶやきの棚」をブログで再現しています。