東京のすみれ
 地図を見ると東京都は南北に長いことが分かります。南部の23区内でもスミレやヒメスミレなどの明るい路傍に咲くすみれたちを見ることができますが、問題は北部で、トトロが住んでいそうな武蔵野と、高尾山を遠い入口として雲取山まで連なる奥多摩の山々にはとても多くのすみれたちが自生していますす。
 高尾山のある八王子市は多くの大学が集まる学園都市ですから、住むにも便利で自然も豊か、都心にも横浜にもアクセスが容易で、中央道だけでなく、最近は関越道へのアクセスも苦にならなくなりました。関東に住むすみれ好きが高尾山に通うのは、こうしたバックボーンがあります。でも、もう一歩入り込んだ奥多摩では更に豊かな自然を堪能できるのです、ただし、2008年に熊と遭遇したという事件が起こり、少しビビッてしまいました。
(2008/10/11)

 うっかり、保有していた資料の追加を失念していました。B) として「東京都の自然」第2号と第6号に掲載された「奥多摩のスミレ」を追加します。たまたま、A) とB) は同じ東京都高尾自然科学博物館が発行しています。新井二郎氏と鈴木和雄氏は同じ時期に研究員として在籍していたのでしょうか。
(2011/12/16)


種(無茎) 品種または変種 参考資料 補足
アカネスミレ A) B)
オカスミレ A)
コボトケスミレ
アケボノスミレ A) B)
アリアケスミレ A)
エイザンスミレ A) B)
ゲンジスミレ A)
コスミレ A) B)
シロバナツクシコスミレ
コミヤマスミレ A)
サクラスミレ A) B)
チシオスミレ
シハイスミレ A)
マキノスミレ A) B)
シコクスミレ A) B)
シロスミレ A) B)
スミレ A) B)
アツバスミレ
シロガネスミレ
ナガバノスミレサイシン A) B)
ナンザンスミレヒゴスミレ A) B)
ノジスミレ A) B)
ヒカゲスミレ A) B)
タカオスミレ A)
ヒメスミレ A)
ヒメスミレサイシン A) B)
ヒメミヤマスミレ
フジスミレヒナスミレ A) B)
フイリヒナスミレ A) B)
シロバナヒナスミレ
フモトスミレ A) B)
フイリフモトスミレ A) B)
マルバスミレ A) B) (ケマルバスミレと記載)
ミヤマスミレ A) B)
種(有茎) 品種または変種 参考資料 補足
アオイスミレ A) B)
イブキスミレ A)
エゾアオイスミレ A) B)
エゾノタチツボスミレ A) B)
キバナノコマノツメ A) B)
タチツボスミレ A) B)
オトメスミレ
ニオイタチツボスミレ A) B)
ニョイスミレ A) B) (ツボスミレと記載)
アギスミレ
種(自然交雑) 参考資料 補足
ナガバノアケボノスミレ アケボノスミレ x ナガパノスミレサイシン
種(自然交雑 無名) 参考資料 補足

書籍上、表現が不確かな種に関しては除外し、変種や品種については主要なもののみを選びました 〇=自生確認


記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
A) スミレの観察 新井二郎 東京都高尾自然科学博物館 1977年3月25日
B) 奥多摩のスミレ、同 補遺 鈴木和雄 東京都高尾自然科学博物館 1974年7月、1978年12月

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 千代田区(東京気象官署)の例 (総務省統計局資料を利用)
気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 八丈島の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について

 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。

 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。

 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、明らかに編者各位にも歴史に対しても失礼な態度ではないでしょうか。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。


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 (2008/10/11) Latest Update 2024/04/14 [150KB]

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