滋賀のすみれ各地のすみれ

 最初の資料とした「滋賀県植物誌」を拝見して、大阪府の分布状況と酷似していることが分かりました。確かに、地理的にも地質環境的にも良く似ているのは当然とは言え、分布の差異を探す方がたいへんです。それにしても。伊吹山は植物分布的にはとても変わった場所なのですね。愛知県から滋賀県を抜けて、福井県と石川県を周遊したことがあります。次は大阪府という選択肢もあるのですが、ここまで似通っているとすれば、和歌山県か兵庫県にシフトするという選択肢も楽しそうです。
 さて、この文献には『バンダタチツボスミレ』なる名称が登場します。補足説明によりますと、伊吹山で見られる距が極く短いものということですが、ムサシノスミレの近畿版でしょうか。また、交雑種が1種だけ登場します。大阪府でも登場したヒメキクバスミレです。1966年に編集を開始した段階で、近畿圏で植物誌がないのは滋賀県と兵庫県だけだったという回顧談がありました。大阪府の文献をかなり意識していたことがうかがえますね。
(2009/08/31)
 スミレ愛好会の『近畿地方のスミレ類』を入手して、時代も異なり、種の数が大幅に種が増えた感があります。
(2017/02/02)

# 品種または変種 自生確認 参考資料 補足
1) アカネスミレ       (B)  
2) アケボノスミレ     (A) (B) 近畿では伊吹山のみに分布
3) アリアケスミレ       (B)  
4) エイザンスミレ     (A) (B)  
5) コスミレ     (A) (B)  
6) シハイスミレ     (A) (B)  
7)   マキノスミレ     (B)  
8) シロスミレ ホソバシロスミレ     (B)  
9) スミレ     (A) (B) ケナシスミレ
10)   スミレ(白変種)   (A)   (A:シロバナスミレと記載)
11) スミレサイシン     (A) (B)  
12) ナガバノスミレサイシン     (A) (B)  
13) ナンザンスミレ ヒゴスミレ   (A) (B)  
14) ノジスミレ     (A) (B)  
15) ヒメスミレ     (A) (B)  
16) フジスミレ ヒナスミレ   (A) (B)  
17) フモトスミレ     (A) (B)  
18) マルバスミレ     (A) (B) B:過去に記録があるが、現状不明
# 品種または変種 自生確認 参考資料 補足
19) アオイスミレ     (A) (B)  
20) イブキスミレ     (A) (B) 近畿では伊吹山のみに分布
21) エゾノタチツボスミレ     (A) (B) 伊吹山が日本の分布南限
22) オオタチツボスミレ     (A) (B)  
23) オオバキスミレ     (A) (B)  
24)   ミヤマキスミレ     (B)  
25) タチツボスミレ     (A) (B)  
26)   タチツボスミレ(山陰型)     (B) (B:ニホンカイタチツボスミレと記載)
27)   コタチツボスミレ   (A)    
28) ツルタチツボスミレ       (B)  
29) ナガハシスミレ     (A) (B)  
30) ナガバノタチツボスミレ     (A) (B)  
31) ニオイタチツボスミレ     (A) (B)  
32) ニョイスミレ     (A) (B) (A:ツボスミレと記載)
33)   アギスミレ   (A) (B)  
34)   ヒメアギスミレ   (A) (B)  
# (自然交雑種) 自生確認 参考資料 補足
35) スワタチツボスミレ       (B) タチツボスミレ x エゾノタチツボスミレ

記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
(A) 滋賀県植物誌 北村四郎 保育社 1968年11月20日
(B) 近畿地方のスミレ類 -その分布と形態-(増補改定) 牧 嘉裕・山本 義則 スミレ愛好会 2016年3月1日

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 彦根市の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について
 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。
 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。
 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、明らかに編者各位にも歴史に対しても失礼な態度ではないでしょうか。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。
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