山口のすみれ各地のすみれ

 昭和47年(1972年)に発行された「山口県植物誌」を参照しました。良く整理された内容で、少し自然交雑種も掲載されており、ジャクチスミレが仮称として登場する他、ホウフスミレも新称として登場します。ともに、山口県内の寂地山、防府市に由来する名称で、広く認知されているものです。問題はアキヨシタチツボスミレで、ナガバノタチツボスミレとニオイタチツボスミレの雑種として浜栄助氏WHO!による新称として登場します。当然ながら、美祢市の秋吉台で採取されたものですが、広く認知されているとは言い難いでしょう。実は、既に北九州でウスゲスミレとして知られていた交雑種でした。加えて、最後にフギレシハイスミレが記載されています。
 山口県植物誌の発行にあたって、すみれの研究でも有名な大井次三郎博士が文章を寄せています。その説明によりますと、当植物誌は中国地方では初なのだそうです。日本海と瀬戸内海にまたがる環境を持つ山口県の特徴についてコメントされていました。
(2009/08/16)
 山口県在住のすみれ好きさん情報をお借りして補足しています。一般情報の範囲ですから「*」で表記しました。
(2013/06/20)

# 品種または変種 自生確認 参考資料 補足
1) アカネスミレ     (A) *  
2)   オカスミレ     *  
3) アケボノスミレ     (A) *  
4) アリアケスミレ     (A) *  
5) エイザンスミレ     (A) *  
6) コスミレ     (A) *  
7) コミヤマスミレ     (A)    
8) サクラスミレ     (A)    
9) シコクスミレ     (A) *  
10) シハイスミレ     (A) * (別:ハグロシハイスミレ)
11)   フイリシハイスミレ     *  
12) (シロスミレ) ホソバシロスミレ   (A) *  
13) スミレ     (A) *  
14)   アナマスミレ     *  
15)   ホコバスミレ   (A) *  
16) スミレサイシン サンインスミレサイシン   (A)    
17) ナンザンスミレ ヒゴスミレ   (A) *  
18) ノジスミレ     (A) *  
19) ヒカゲスミレ     (A)   絶滅危惧
20) ヒメスミレ     (A) *  
21) ヒメミヤマスミレ     (A)    
22) フジスミレ ヒナスミレ   (A) *  
23) フモトスミレ     (A) *  
24)   フイリフモトスミレ     *  
25) マルバスミレ     (A) *  
# 品種または変種 自生確認 参考資料 補足
26) アオイスミレ     (A) *  
27) オオタチツボスミレ     (A) *  
28) タチツボスミレ     (A) * ケタチツボスミレ
29)   ケイリュウタチツボスミレ     *  
30)   コタチツボスミレ   (A) *  
31)   ツヤスミレ   (A) *  
32) ナガバノタチツボスミレ     (A) * ケナガバノタチツボスミレ
33) ニオイタチツボスミレ     (A) * ケナシニオイタチツボスミレ 
34) ニョイスミレ     (A) * (ツボスミレと記載)
35)   アギスミレ   (A) *  
36)   ヒメアギスミレ   (A)    
# (自然交雑種) 自生確認 参考資料 補足
37) ウスゲスミレ     (A)   ナガバノタチツボスミレ x ニオイタチツボスミレ
(別)アキヨシタチツボスミレ
38) ジャクチスミレ     (A) * スミレサイシン x シコクスミレ
39) フギレシハイスミレ     (A)   シハイスミレ x エイザンスミレ
40) ホウフスミレ     (A)   シハイスミレ x スミレ
41) ミツモリスミレ       * シハイスミレ x フモトスミレ
書籍上、表現が不確かな種に関しては除外しました

記号 参考資料 著者、編者 発行/出版 発行
(A) 山口県植物誌 岡 国夫ほか 山口県植物誌刊行会 1972年12月25日

気温グラフ 降水量グラフ
【参考:気象統計情報】 下関市の例 (総務省統計局資料を利用)

各地のすみれ 掲載種について
 「各地のすみれ」に掲載しております自生種などの情報は、ご覧いただければ一目瞭然ですが、収集した植物誌など、参考資料の記載内容を紹介しているものです。こうした参考資料は、一般に、県や市などの地方自治体や教育機関、地方の博物館や植物学会、研究団体(個人を含む)などが情報収集の上、編集したケースが多いと認識されます。
 それらの参考資料が編集された時期、目的や経緯、情報収集や編集をされた方々の属性はいろいろですので、一貫性は期待できません。また、ご承知の通り、植物分類学の世界でも学術的知見が変わり続けていますので、編纂時期によって種の名称や表現が変わっているのは、むしろ、当然と言えます。
 編集者の属性も千差万別であり、正直なところ「ちょっと怪しい」情報も、まぁまぁ存在しています。スミレ科に関する限り、このサイトに訪問されている方々の方が、よりディープな知識をお持ちである場合も多いことでしょう。
 「ちょっと怪しい」を超えて、「明らかに外来種である」とか、「これは歴史的に変更された事実がある」、もしくは「単純ミス」などというケースに対しては、それなりの注釈を付けています。
 こうした状況を踏まえて、ご意見や情報をいただくこともありますが、全く踏まえていただけず(笑)、『間違いが多いから直せ』といったアドバイスをいただくこともありました。しかしながら、これらの情報は、日本に植物分類学が定着を始めた頃から現在に至る、歴史的側面を含む「記載事実」ですから、皆様からの投稿で作り変えるといった性質もしくは対象ではありませんね。それは、明らかに編者各位にも歴史に対しても失礼な態度ではないでしょうか。
 現在、私たちが持っている知識は、こうした試行錯誤も含む歴史の積み重ねの上に成り立っているものです。その知識でさえ、来年には変わってしまうかも知れません。悪しからず、ご了承いただくべき性質だと考えて、簡単な補足を施させていただくものです。ぜひ、ご理解下さい。
(2009/08/16) Latest Update 2015/09/23 [80KB] TOP

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