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 こんな砂礫地に生育するすみれも珍しいでしょう。ここは土壌の養分が乏しい上、凍結と融解を繰り返し、強風が吹き、一日の気温差が著しいという見掛け以上に厳しい環境の高山です。花期、下界は汗ばむ季節なのですが、ここは一瞬でガスに覆われ、激しい突風が吹き荒れました。そんな追いつめられたような地に咲く孤高のすみれがタカネスミレです。
 北海道、岩手山、八ヶ岳等に見られ、極端な隔離分布という見方もできますが、そこに取り残されたと理解した方が素直だと思っていました。高山植物全般に関わる資料で「氷河遺存種」という概念があることを知り、これに違いないと思っています。でも、氷河期とは斯くも厳しい気候環境だったのですね。
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