こんもりと葉を展開しているのはマルバタチツボスミレと思われる個体です。こうした自然交雑個体は、周辺で見られる両親の姿と比較して判明することが多いですね。マルバタチツボスミレは比較的によく見かける部類の交雑種でしょう。
その理由ですが、近縁種である両親共に個体数が多く、似た環境で生育することが挙げられます。同時に、日本海側のイワフネタチツボスミレなどの事例が知られるタチツボスミレの仲間は、交雑が起きやすい性質を持つグループと言われます。他にもナガバノアケボノスミレのように、交雑種の寿命が長く、結果としてよく見かけるという理由も知られていますね。