前回に引き続き、ユニークな形をした花の登場です。 「これは何かな?」 ケシ科またはケマンソウ科のヤマエンゴサク(山延胡索)ですね。 この植物も判断が難しく、特にジロボウエンゴサクと混同されます。 花の直下にある苞葉の先が裂けているか、程度の違いでしかありません。 エゾエンゴサクとは、花の様子で何とか区別がつくかも知れません。 葉は「1〜3回3出複葉」というスタイルです。 小葉の形状は卵円形〜披針形と変異が見られ、細長い葉もあります。 葉の色も明るい緑色が多いのですが、赤褐色等が見られます。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Corydalis lineariloba" ● 原産 : 日本、中国 ● 分類 : ケシ(ケマンソウ)科キケマン属 花の色は不思議色です(笑)。 淡い青紫から赤紫、臙脂色まで変化があり、群生していると綺麗ですね。 特に赤紫色の花を見ると、口紅を引いたような花弁に惹かれます。 花弁は外側2枚、内側2枚の4枚で、長い筒状になっています。 前述のように、先は唇のような形に開いています。 後方は、袋状の「距(きょ)」になっていて、構造はすみれに似ていますね。 さて、この「延胡索」という名前は中国の漢方薬の名前です。 「延胡索」という中国の植物があるということですが、誤解もあるようです。 このヤマエンゴサクは「延胡索」に似た日本の植物なのですよ。