額紫陽花(ガクアジサイ) 「墨田の花火」
近所のお庭にパッと艶やかでヒラヒラの花が咲いています。 美しいと言うか、可愛らしいというか、魅入ってしまうようなユリですね。 「これは何かな?」 カノコユリ、または、その選別種ですね。 漢字では鹿の子百合(鹿子百合、鹿之子百合)と書きます。 分類上、カノコユリとタキユリに分ける見方もあると知りました。 反り方等の違いのようですので、 ここは区別しないでおきましょう。 「鹿の子」とは、きもの生地の染め(絞り染め)技法の名前ですね。 参考に写真の背景に使用してみました。 代表的な京絞りですから、どこかで見たことがありませんか。 本当は「絞り」ですから立体的な模様です。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : Lilium speciosum ● 原産 : 日本(四国・九州) ● 分類 : ユリ科ユリ属 カノコユリには素晴らしい花色と強健な性質があります。 交配親として優れた特性を持っているということになりますね。 因みに、花色は紅色の他に、白と桃色があります。 巷に出回るオリエンタル・ハイブリッドの主要な交配親なのです。 園芸カタログをご覧になる機会がありますでしょうか。 現在は、とても多くのオリエンタル・ハイブリッドが流通しています。 最初に登録された品種は L. × parkmanii だと分かっているようです。 これはカノコユリとヤマユリの交配によるもので、1869年に登録されたとか。 長い歴史があるものなのですね。 いろいろ調べていて、へぇ〜と思ったことがあります。 少しマニアックですが「低温要求性」という言葉をご存じでしょうか。 すみれのタネ等のケースで、冬を経験しないと発芽しない性質のことです。 カノコユリの鱗茎にも、この性質が見られるということなのです。 花には良い 芳香があり、鱗茎は食用になります。 自然が与えたすばらしい遺伝子が日本にあったということでしょう。