ネジバナ
(ラン科)---
Spiranthes sinensis
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よく見ると、ランの花であることが分かります。小さな花が螺旋状(反時計廻り)に連なって咲きます。強い性質で、公園の芝生等、どこでも見られるようです。白い花もあります。また、同じ場所でも花の色合いには個体差が出ていました。
どうして花が少しずつ角度を変えてねじれていくのでしょう。ネジバナは虫媒花ですが、花が横向きの状態で虫を受け入れる構造をしています。花が同じ方向を向いたらどうなるでしょう。茎がバランスを崩して傾いてしまいますね。それでは横向きを維持することができません。たくさんの花を咲かせても、茎が基本的にまっすぐ伸びるための工夫だと言われます。
(螺旋の向き)
反時計回りと記載していましたが、逆回り、ねじれないものもあると教えてもらいました。
ねじれないものは見たことがあります。今度は時計回りを探してみたいですね。
撮影 : 千葉県千葉市 1998/06/20
ネジバナには幾つかの変異があるそうです。秋に開花するアキネジバナという品種があるのですが、花期が違うだけなのか、一度観察してみたいものです。他にナンゴクネジバナという花期の早い変種があると資料にあります。外観は少し派手めだそうです。
科/属 |
ラン科/ネジバナ属 |
属性(生活型) |
単子葉植物、多年草、地生蘭 |
標準和名 |
ネジバナ |
漢字表記 |
捩花 |
学名/栽培品種名 |
Spiranthes sinensis (Pers.) Ames var. amoena (M.Bieb.) H.Hara |
RDB |
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花期 |
春:6~7月 |
結実期 |
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原産地 |
日本、中国 |
国内分布 |
日本全土、樺太、千島、朝鮮、中国、ヒマラヤ |
自生環境 |
乾燥した雑木林、芝生、公園、あぜ道などに生育する。 |
補 足 |
常緑、小型の野生ラン。別名モジズリ(綟摺)。 |
花は下の方から咲き始める
少しずつ角度を変えている
花の大きさは5mm前後になる
球根でもタネでもドンドンに増える
撮影 : 千葉県船橋市 1998/06/20
地下の根はとても太い
左は実生1年目、右は2年目
撮影 : 千葉県船橋市 2000/04/29
なかなか増えないという話も聞きますが、
比較的固い状態の土や芝にも
勝手に飛んだタネで、条件が合えばドンドン増えます
大事に育てるとうまくいかないのだとか…
撮影 : 千葉県船橋市 2001/03/20
ミツバチがやって来て、ひとつひとつの花を訪ね歩いて行く
突然、白い花の咲く株が現れた(花単位ではなく、株単位で変化が起こる?)
撮影 : 千葉県船橋市 2000/07/01
同じ緑地公園に一角なのに、花の色合いが少しずつ違っている
撮影 : 千葉県船橋市 2012/06/26