アマドコロ
(甘野老、キジカクシ科)---
Polygonatum odoratum
(Mill.) Druce ---
明るい林に咲く多年草。写真の個体は比較的背が高いが、一般には膝丈程度が多い。山野草ながら、完成度の高い美しい植物ではないだろうか。
ナルコユリ、ヒメイズイなど良く似た野草が多い。園芸種のドイツスズランも良く似たイメージがある。ナルコユリは茎の断面が丸いが、アマドコロは角張っている。また、アマドコロの方が葉の幅が広い。
撮影 : 千葉県千葉市 2000年6月4日
以前の分類であるユリ科はとても多くの種を含む複雑なグループでしたが、分類体系の変遷を経て、アマドコロはAPGⅢでキジカクシ科とされました。
科 |
キジカクシ科 |
属 |
アマドコロ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
多年草 |
標準和名 |
アマドコロ |
漢字表記 |
甘野老 |
学名/栽培品種名 |
Polygonatum odoratum var. pluriflorum |
RDB |
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花期 |
春:4~5月 |
結実期 |
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原産地 |
日本 |
備考 |
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国内分布 |
基本種は本州、四国、九州、沖縄に分布する。海外では朝鮮半島、中国に分布する。 |
自生環境 |
山地の半日陰になるような林下などに自生する。 |
補 足 |
ナギイカダ科に分類されることがある。根茎がヤマノイモ科の一種オニドコロ(鬼野老)に似ているが、食すと甘いところから命名された。 |
クリームイエローとグリーンの美しい花です
明るい山林に群生しています
千葉県千葉市 2000年6月4日 (初期型デジカメで撮影)
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アマドコロとナルコユリ
ホウチャクソウとアマドコロさえ、間違えていました。ナルコユリと区別ができていないかもしれません。撮影時点で(今も)、十分な知識がなかったため、ポイントの確認が不充分ですね。
特徴 |
アマドコロ |
ナルコユリ |
茎の断面 |
基部を除き稜角がある |
円柱形 |
根茎の節 |
節の間が短い |
節の間が長い |
葉の形状 |
幅の広い長楕円形 |
幅が狭い披針形 |
葉の裏面 |
平滑 |
葉脈に沿って粒状突起がある |
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基本種は分布が広い。日本には、オオアマドコロ( var. maximowiczii )、ヤマアマドコロ( var. thunbergii )を含めて 3変種が見られるとされる。