湿原を白く染めて、静かに咲くハンゲショウ
隣町の公園に出掛けてみました。 自然を豊かに残している大きな公園で、お気に入りの場所なのです。 そこは城址公園なので、取り巻くように細長い堀があります。 そこで、そろそろチョウトンボが軽やかに飛んでいるはずなのですが・・・。 でも、一生懸命探して、たった1匹しか見つかりません。 遅すぎたのか、早すぎたのか、今年は季節感が良くわかりませんね。 それで、 水辺でハグロトンボが翅を休めているのを撮っている時です。 ふと見ると、足下でハンゲショウがたった一株だけで咲いていました。 何度も通っているのですが、初めて気が付きました (^.^) 。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : Saururus chinensis ● 原産 : 日本を含む東アジア ● 分類 : ドクダミ科サウルラス属 写真は、昨年、初めて撮影した湿原のハンゲショウの群生です。 白いペンキを塗ったような不思議な植物ですね。 あ、それから、以前に紹介したホワイトコンロンカに雰囲気が似ています。 漢字では「半夏生」とか「半化粧」と書きます。 前者の「半夏生」は季節を意味する言葉だというので調べてみました。 七十二候の一つで、夏至から11日目を意味する暦の日…、なるほど。 「半夏(烏柄杓・毒草)」が生え、天地に毒気があふれる日だそうです、へぇ! 山の物を食べてはいけないとされるのですが、梅雨ですからねぇ。 後者の「半化粧」は、植物を見ると納得してしまうところがあります。 先端の葉が、一部を残して、白粉で化粧したような姿ですから! ただ、メイクアップを意味する「けしょう」は比較的新しい読みだそうです。 古い和名で「片白草」という言葉もあるそうですよ。 葉の表は白化するのですが、裏は緑色だということでしょう。 (蛇足) 引用して「半夏(烏柄杓・毒草)」と記載しましたが、烏柄杓は漢方薬です。 烏柄杓の名誉のためにも記載しておきますね (^^ゞ まぁ、一般に「毒転じて薬となす」とされ、紙一重なのでしょう。