紅蓮の炎に身を焦がす ヒガンバナが一斉に咲く
あちこちで、真っ赤な炎のように、たくさんの花が咲き乱れていました。 花の咲く期間はとても短く、咲き急いでいるようにしか見えません。 「これは何かな?」 ヒガンバナ(彼岸花)またはマンジュシャゲ(曼珠沙華)です。 山口百恵さんが「まんじゅしゃか〜」と歌っていたのを覚えています。 梵語ですが、「まんじゅしゃか」の方が発音的には近いそうですよ。 美しい花だと思いますが、特に日本人には別の見方があるようです。 別名ですが、「地獄花」、「幽霊花」、「狐花」等々、なかなかにスゴイ!! 少し怖がるような、忌むような不思議な感覚があるのかも知れません。 西洋には、そのような感覚はないので、どんどん品種改良が進んでいます。 どうやら、お隣の韓国にも、そのような感覚はなさそうです。
(ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Lycoris radiata var. radiata " ● 原産 : 中国 ● 分類 : ヒガンバナ科ヒガンバナ属 お彼岸の頃に咲き出すということですが、地域差はありますよね。 しかしながら、同じ地域であれば、本当に一斉に咲き始めます。 数本ずつ、長く咲き続ければ良いのになぁ、と思いませんか! 日本に自生するヒガンバナは、原則として、3倍体なのでタネができません。生食用のバナナの話に良く似ています。 どうして、こんなことになってしまったのでしょう? それでも、「こんなに!」と思うほど多くの株が一斉に花を付けます。 房総半島を約一周してきたのですが、田の畦々が赤く染まっていました。 タネができないのに、どうやってこれだけの株に増えていったのでしょうか? 基本的に球根で増える植物です。 田の畦に生えていたものが、何らかの理由で分かれていったのでしょうね。 人為的に株分けされたり、洪水で流されたりもしたのでしょう。 この球根は土砂に埋まっても、通常は平気な顔で芽を出すとのことです。