蔦を伸ばして小さな紫の花を付ける ヴィオラ・バンクシイ
花弁がたれ、中心部が濃い紫色、ちょっと個性的な顔をしていますね。 「これは何かな?」 スミレ科のヘデラケアですが、日本に多いすみれたちとは離れた種です。 (cf : 近年、ヘデラケアはバンクシイという名前で修正されました。) 日本では、まぁ、多彩な名前で流通していますよ。 ■ パンダスミレ ■ ツタスミレ ■ ツタノハスミレ ■ ツルスミレ ■ アシナシスミレ ■ タスマニアビオラ(N社) ■ パーオウルピコティ(S社) ■ ウィンズビオラ ■ クリ−ピングすみれ ■ ナポレオンハット 他にもまだまたありそうですね。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Viola banksii(hederacea)" ● 分布 : オーストラリア、ニュージーランド、マレー半島 ● 分類 : スミレ科スミレ(ヴィオラ)属 多様な呼び名の内、 ツタスミレという名は「言い得て妙」だと思います。 「匍匐茎」という細長い茎がどんどん伸びて、地衣類のように拡がるのです。 いちごでよく見られるヒュっと伸び、ストローの語源になった茎ですね。 少しすみれらしくない雰囲気があるのは、「距」がないからでしょうか。 「距」とは、唇弁(下の花弁)の一部が花の後ろに突き出た部分のことです。 花は小さめで、中央に橙色の柱頭が出ています。 元来、常緑多年草なのですが、普通、日本では越冬できないんですね。 暖かい場所でうまく育てられれば、株分けで増やすことができます。 (cf : 日本で流通している個体は不稔性でタネができません。) 「四季咲き」と書いてあることもありますが、やはり冬に花は無理でしょう。 花期が長くて、とてもたくさんの花を咲かせてくれます。 今回は花屋さんで(勝手に)撮影した写真を使用しています。 実は、今も庭で咲いているのですが、葉が黄色くなり始めているのですね。 茎が伸びた姿を含めて、来年、また紹介することにしましょう。