葉を出さず、いきなり、花芽を出して咲く コルチカム
周囲に葉はなくて、唐突にピンク色の花だけが咲いています。 「これは何かな?」 イヌサフランまたはコルチカムという名前で良く知られていると思います。 大きな球根から突然のように美しい花を咲かせる変わりものです。 水栽培ではなくて、皿に置いておくだけで良いので、空気栽培でしょうか。 花後に植えて上げると綺麗な緑色の葉を出して良く増えます。 確かに雰囲気はサフランに似ていますが、イヌ(犬)を頭に付けるんですね。 「似ているが違う」という意味として、イヌやキツネを使うのは不思議です。 いずれにしても、これだけ大量一気に花が咲いているのは初めて見ました。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Colchicum autumnale" ● 原産 : ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア ● 分類 : ユリ科コルチカム属(イヌサフラン属) ユリ科の植物の球根は食用になるものがあります。 逆に、毒で食用に向かないか、軽く毒抜きが必要なものもあります。 「コルチカム」は毒性の強いコルヒチンを多く含むという学名(属名)です。 西アジアのアルメニアの古い都市「コルキス」に由来するそうです。 球根を見た限り、おいしそうですが、自衛策を講じているのでしょうね。 毒は薬にもなるケースが多いのですが、コルヒチンも薬として扱われます。 このコルヒチンですが、園芸的には有名な薬品です。 「コルヒチン処理」と言いますが、倍数体の作出時に利用する薬品です。 懐かしい化学式では C22H25NO6 になります。 細胞分裂の時に染色体の倍加を誘発する作用があるのですね。 通常、不稔性を示す F1 を倍数体化すると有稔性になることがあります。 植物体も大柄になる傾向があり、特定植物の園芸化に利用されますね。 たまたま「すみれ好き」なので良く耳にしました。(^.^)