魅力的な葉と可愛い花の秘密 ピレア‘ムーンバレー’
山の中で、このような形をした葉を見掛けたら「要注意」です。 植物に関する小難しい用語で「羽状複葉」と言い、明確な互生です。 「これは何かな?」 ともにウルシ科ですが、上はヤマハゼ、下はハゼノキだと思います。 同日、ほど近い場所で撮影したもので、実は同じ植物に見えました。 若干、葉の形態が異なるようですが、ともに綺麗に紅葉していますね。 「要注意」と記載しましたのは、体質によってはかぶれるからです。 ヤマハゼは日本原産、ハゼノキは中国原産で野生化したものと言われます。 ハゼノキは沖縄にも自生していますので、日本原産としても良いでしょう。 両者の同定は専門家でも難しいのですが、どちらかには違いなさそうです。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Rhus sylvestris" (ヤマハゼ) ● "Rhus succedanea" (ハゼノキ) ● 原産 : 日本 ● 分類 : ウルシ科ウルシ属 ウルシ科ぶれの原因物質はウルシオールと呼ばれるそうです。 触れるとかぶれることが多く、体質によっては近づいただけでもかぶれます。 最も強力なのはウルシで、ヤマハゼ等は少し弱めだと言われます。 そのウルシは輪島塗などに代表される漆器に利用されています。 樹液が空気に触れて参加すると黒く硬化して耐久性が強くなるのです。 ヤマハゼやハゼノキは、そのような利用のされ方はしないようですね。 江戸時代、ハゼノキは木蝋を採取するため盛んに栽培されたのだそうです。 ロウソクや石けんの材料になりました。 種子や根は生薬としても活用されたそうですから、益木だったのですね。 緑色から淡褐色になる実を小鳥が好んで食べて、遠くまで運んでくれます。 木蝋になる脂肪油を多く含むので、小鳥にとって良質な餌になるのです。