花の少ない時期を狙い打ち ヤツデ(八つ手)の巧みな技
白っぽい球状というか、鞠状の独特な花が咲いていました。 「これは何かな?」 晩秋から咲き始めるのですが、たくさんのミツバチやアブがやってきます。 花全体は、球状の散形花序が集まり、大きな円錐花序になる構造です。 小さな花が、とてもたくさん集まっていると思って下さい。 花の少ない季節に、おいしそうな蜜の香りを放っているのでしょうね。 花はオシベが咲きに成熟して雄花の機能を持った状態になります。 花弁が散った後に、今度はメシベが成熟して雌花の機能に切り替わります。 前段を雄性期、後段を雌性期と呼び、まぁ性転換するようなものですね。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Fatsia japonica" ● 原産 : 日本 ● 分類 : ウコギ科ヤツデ属 大きな葉を持ち、別名をテングノハウチワ(天狗の葉団扇)とも言うそうです。 周囲の樹木が落葉して行く中で、大きな緑色の葉を誇って目立っています。 さて、ここで、ちょっとした問題があります。 「八つ手」という名前にも拘わらず、葉は9裂または7裂するのだそうです。 そう言えば、葉の形状を見る限り、偶数に裂けることはなさそうですね。 どうやら、末広がりの「八」を使って縁起を担いだもののようですね。 魔除けや疫病除けとして庭に植える習慣があるのだとか! なるほど、確かに古い家の庭で良く見掛けるますね。 有毒とされたこともありながら、葉や根は薬用になり、やはり縁起物ですね。