新しい年がやってきました。 冬至も過ぎて、日に日に太陽が出ている時間が長くなってくるのです。 もどかしく、それでいて待つことが嬉しい時期だと思います。 新年のご挨拶には、とても好きなすみれの代表格を持ってきました。 日本で一番個体数が多いすみれであるタチツボスミレです。 北海道から沖縄、海岸の砂地から、高山まで、広く広く適応しています。 ですから、とても変異が多くて、美しくて可愛くて、とても興味が尽きません。 写真の個体は、まぁまぁ標準的、つまり、良く見掛けるパターンでしょう。 なによりも、重要なポイントは「出逢うタイミング」なのかも知れません。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Viola grypoceras" ● 原産 : 日本(分布:日本全土) ● 分類 : スミレ科スミレ(ヴィオラ)属 枯葉の寝床で長い眠りから覚めたばかりの株はまだ小さいのです。 この種は、実はもっと大きくなって、茎の途中からも花芽を出すはずです。 でも、花の時期を感じて、一斉に咲き出したところに出逢ったのでしょう。 太陽を追いかけるにしても、普通、花が皆同じ方法を向くとは限りません。 少し蕾も見えますが、ほぼ同じように咲き揃い、美しい姿を呈しています。 何より、雨や虫食いで色や姿が崩れていません。 これだけの偶然が揃うことは、なかなか難しいような気がします。 長い時間を掛けて野山を歩き回って、絶妙の時期にすみれたちに出逢う。 最も晴れ晴れしいタイミング、いつも一期一会だと感じます。