目立たない花 代表的ハーブ ローズマリー(海の露?)
細い松葉のような緑色の葉の間から、淡い赤紫色の花が覗いています。 花色は淡紫色が多いのですが、幾つかの園芸品種は紅色掛かっています。 「これは何かな?」 ご存知の方も多いでしょうが、 これが代表的ハーブであるローズマリーです。 英名は "rosemary" 、直訳すれば「マリアの薔薇」になってしまいます。 でも、これは誤解に基づくようですね。 学名(属名)の "Rosmarinus"はラテン語『海の露』が語源になっています。 "mary" ではなく、"marine" と訳さなければいけなかった訳です。 外見的に立性と匍匐(ほふく)性種に分かれます。 上の写真が立性で、下の写真が匍匐性で、枝がくるくると巻いていますね。 とても目立たない植物で、花が咲いている時でも、ご覧の通りです。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Rosmarinus officinalis" ● 分布 : 地中海沿岸地方 ● 分類 : シソ科ロスマリヌス属 実は、ローズマリーのエッセンシャルオイル(精油)を毎日持ち歩いています。 脳を活性化させて、記憶力を強める作用があるのだそうですよ。 芳香には、檜葉の木のような木質なイメージがあって爽やかです。 古い時代から、その効用・効果を認められて、愛され続けてきました。 代表的な効用を列挙してみましょう。 ■ 消臭効果 ■ 殺菌作用 ■ 解毒効果 ■ 炎症抑制効果 ■ 記憶力の改善作用 ■ 集中力の改善作用 ■ 鎮痛 ■ 心臓強壮 ■ 神経強壮 それから、「世界最古の芳香治療水、化粧水、香水」と呼ばれています。 特に「若返りの水」としてヨーロッパの女性たちに珍重されてきました。 有名なハンガリー王妃エリザベート1世のお話を紹介しておきましょう。 具体名が出てくるのですが、いろいろな派生があるお話だそうです。 修道院の尼僧が王妃のためにローズマリーで作った化粧水を贈りました。 王妃はローズマリーの香りが気に入って、毎日全身に使用していました。 王妃は齢70を越えていましたが、とても若々しくなっていきます。 ある日、ポーランド王子が王妃を一目で恋に落ち、求婚したといいます。 「ハンガリーウォーター」のお話ですね。 真偽のほどについては分かりません。 でも、ローズマリーの成分には肌を引き締める等の美顔効果があります。 筋肉痛等を和らげ、動脈硬化等への効果が検証されているそうです。