より遠くへ遺伝子を拡散させる工夫の翼 イロハモミジ
「掌」のような形の葉、「翼」のような形の何かが見えます。 「これは何かな?」 日本に28種位あるカエデの仲間で、広く分布しているイロハモミジですね。 単にモミジ(紅葉)と表現したら、概ね、イロハモミジのことかも知れません。 初夏に小さくて、赤みのある花をたくさん咲かせます。 ただ、余りに小さくて目立たないので、気付かない方の方が多いでしょう。 それから、夏に緑色の葉を展開させ、実を付けた後、紅葉に移行します。 一般呼称としては「楓(かえで)」でも「紅葉」でも構わないようです。 前者は葉の形から、後者は葉の色から名付けられたということでしょう。 どちらも趣がある呼び方で好きですね。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Acer palmatum" ● 原産 : 日本 ● 分類 : カエデ科カエデ属 翼のような、プロペラのようなものは「翼(よく)」のある果実(翼果)ですね。 種皮が「翼」に変化するケースもあるのですが、これは果実だそうです。 「風の谷のナウシカ」に登場するメーヴェに似ているかも!(マニアックだ) 実際に、クルクルと廻転しながら、枝から少し離れた場所に不時着します。 翼のおかげで、いったい、どれだけの距離を稼ぐことができるのでしょうか。 近くを廻転するだけで、それ程の効果は上がっていないような気がします。 ところで、何年か前、紅葉のメカニズムについてTVで説明していました。 詳しく記憶していませんが、基本的に葉は黄色いものだという主旨でした。 芽吹きの頃から初秋までは葉緑素がそれを隠しているのだとか。 元来の姿に戻って散っていく・・・、潔くて、なにか、もの悲しいですね。