大柄で静かに咲く オオムラサキツユクサ(大紫露草)
路傍で良く見掛ける雑草に似ていて、でも、とても大きい草花です。 花期はとても長くて、まぁ、いつでも咲いているような気がしますね。 「これは何かな?」 名は体を表すというケースの典型、オオムラサキツユクサです。 ほぼ同じ外見で植物体が少しだけ小さいムラサキツユクサもあります。 ただ、大きい小さいという言葉だけで、具体的な違いが分かりませんね。 一応、学名は違うのですが、似たようなモノとして扱われています。 花の中央にある細かい毛は、どうやらオシベの一部らしいですね。 この毛、細胞が一列に並んだもので、原形質流動の観察に便利なんです。 とても丈夫で、土質を選ばない優等生です。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Tradescantia virginiana" ● 分布 : 北米 ● 分類 : ツユクサ科ムラサキツユクサ属 園芸品種には白やピンク、赤紫の強い花を咲かせるものもあります。 繁殖力が強いようで、あちこちで半野生化しています。 比較的新しい渡来種で、昭和初期にやって来たばかりとのことです。 園芸品種を作り出す過程で、ムラサキツユクサとも交配したとか。 区別が付かない者にとっては、更に困難な状況になっている訳ですね。 ところで、ムラサキなんとかという名がある植物は少なくありません。 ムラサキサギゴケは、鷺が白い鳥だから、わざわざ紫と修飾したのでしょう。 しかしながら、白い花があって、白花紫鷺苔というややこしいことに・・・。 園芸品種の白やピンクは、とても存在感があって、すばらしい色合いです。 植物の名前については、安易に花色を冠にすることを避けるべきですね。