センボンヤリ
(千本槍、キク科)---
Leibnitzia anandria
(L.) Nakai ---
春の花とヤリ(槍、閉鎖花
の茎)が見えます。センボンヤリの名は、この槍が多いという意味から付けられました。センボンヤリの最大の特徴は、春と秋にそれぞれ花を咲かせることです。秋の閉鎖花は自家受粉で同じDNAを大量に効率良く増やすことが目的です。でも、これだけではDNAの変化(多様性)がなくなり、種としての寿命が危ぶまれることになります。一方、春の花は普通に他家受粉を目的としています。花を目的によって使い分けること、これは非常に優れたシステムではないかと思います。少し異なりますが、スミレも同じようなシステムを持っています。
春の花は10cm程度のかわいい花で、秋の花は50cmにも達する細長い花です。
撮影 : 岩手県北上市 2006年5月5日
科 |
キク科 |
属 |
センボンヤリ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
多年草 |
標準和名 |
センボンヤリ |
漢字表記 |
千本槍 |
学名/栽培品種名 |
Leibnitzia anandria (L.) Nakai |
RDB |
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花期 |
春:4~6月、秋:9~11月 |
結実期 |
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原産地 |
日本 |
備考 |
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国内分布 |
国内では沖縄を除くほぼ全国に分布する。海外では千島、樺太、中国などに自生する。 |
自生環境 |
山地や丘陵の日当たりの良い場所などに自生する。 |
補 足 |
春の花(開放花)は高さが5~15cm程度、秋の花(閉鎖花)は自家受粉して、30~60cm程度の花茎を伸ばす。春の花は開花後、更に伸びて少し違う姿になる。 |
東京都八王子市 2001年4月8日
岩手県北上市 2006年5月5日
山梨県北杜市 2013年4月13日
枯れた秋の花が残っている
柄が長い穂先に膨らんだ綿状の種子が付き、大名行列の槍に例えられる。蕾の姿は春に似ていて、このまま、白い花が咲きそうだ。
岩手県奥州市 2022年9月29日
一面に長い穂の槍が並んでいる姿は珍しいかも知れません。一時、ブタナではないかと迷いました(近くに季節外れで咲いていたのです)。
岩手県胆沢郡(金ケ崎町) 2023年10月27日