フサスギナ
(房杉菜、トクサ科)---
Equisetum sylvaticum
L. ---
偶然、出逢った希少種で、氷河期の生き残りとされているそうです。一見、見慣れたツクシとスギナですが、実はツクシ(胞子茎)とスギナ(養茎)が一体化しています。フキノトウが蕗の葉から直接出ているようなものですね。
日本では北海道の一部のみで、群生している姿はなかなか見られないとの情報でした。湖沼周辺などの湿った日陰に生える夏緑性多年草と説明されたいますが、近辺の湖沼を幾つか訪ねましたが、そこでは気がつきませんでした。
撮影 : 北海道磯谷郡 2024年6月14日
科 |
トクサ科 |
属 |
トクサ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
夏緑性多年草 |
標準和名 |
フサスギナ |
漢字表記 |
房杉菜 |
学名/栽培品種名 |
Equisetum sylvaticum L. |
RDB |
環境省、北海道ともに絶滅危惧II類(VU) |
花期 |
初夏:5~7月 |
結実期 |
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原産地 |
日本 |
備考 |
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国内分布 |
北海道に分布。 |
自生環境 |
山林の湖沼周辺などの、湿った日陰に自生する。 |
補 足 |
国内では北海道のみに自生するが、世界を見渡すと、北半球の温帯北部に広く分布していた。ただし、自生環境の悪化により、自生数は減っている。ブルム氷河期の生残りといわれている。 |
ハクサンチドリのような派手な高山植物のそばでは、明らかに地味なので、つい見逃してしまうことでしょう。
湿地帯に多くの植物と混在しており、目立ちません。胞子嚢部分がないものも多く見られますね。
北海道磯谷郡 2024年6月14日
ツクシ(胞子茎)とスギナ(養茎)が一体化していることは、むしろ、当の植物にとっては経済的かつ合理的だろうと思います。ですが、希少種であり、北海道の一部でしか見ることができません(別名:エゾスギナ)。一方、世界の分布を見ると、北半球の温帯域北部(同じような緯度付近)に広く分布しています。つまり、優位性があるのではないかと思います。