コマクサ
(駒草、ケシ科)---
Dicentra peregrina
(Rudolph) Makino ---
大小の岩や砂礫ばかりで草もまばらな場所にピンクの花が咲いています。過酷な環境に咲く「高山植物の女王」、コマクサ(駒草)ですね。
花を咲かせるのは、通常7月、高山の頂上付近です。ガス(山霧)が出て、強い風が吹くと、あっという間に気温が下がります。晴れれば、遮る草もなく、直射日光に晒され、焦げるような温度になります。
実生から開花まで、平均7~8年に歳月を要すると聞きました。その間に、黙々と根を地中深く伸ばしているのでしょうね。雨風に耐えるように背をかがめながら、力強く生きているのです。おいしそうな印象ですが、食べないでください(全草有毒です)。
撮影 : 岩手県岩手郡 2006年7月8日
科 |
ケシ科 |
属 |
コマクサ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
多年草、高山植物 |
標準和名 |
コマクサ |
漢字表記 |
駒草 |
学名/栽培品種名 |
Dicentra peregrina (Rudolph) Makino |
RDB |
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花期 |
夏:7~8月 |
結実期 |
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原産地 |
日本 |
備考 |
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国内分布 |
北海道から中部地方の高山帯の砂礫帯に分布する。他には千島列島・樺太・カムチャッカ半島・シベリア東部の東北アジア。 |
自生環境 |
高山の砂礫地(日当たりが良く、砂や小石で覆われた場所)に自生する。 |
補 足 |
代表的な高山植物で「高山植物の女王」と呼ばれる。高山帯の砂礫地で排他的に自生している姿を見かけます。海外の例では、低い土地でも見られるとのこと。 |
たくさんの花茎が上がっています
ライバルは黄色いタカネスミレだけ
岩手県岩手郡 2006年7月8日
白花のコマクサが花を付けていました
蕾の時は花弁の赤が濃いようです
群馬県中之条町(旧六合村) 2006年6月14日
幾つか園芸種が流通しています。群馬の白花は「丹頂」と呼ばれる園芸種ではないかと思われます。ここは高山域にある湖のそばなのですが、シラネアオイなど人為的な植栽が多く見られ、自然保護という目的ではないらしくて微妙な印象です。