エゾクロユリ
(蝦夷黒百合、ユリ科)---
Fritillaria camschatcensis
(L.) Ker Gawl. ---
北海道の道東を海岸沿いに旅してみました。砂浜が終わる境界域などに少し見られ、海岸沿いに拡がる広大な砂州の平原には、意外に多く見られました。山地に生育しているというイメージがあったものですから、事前に情報があったものの、とても驚いたものです。
どれもこれも、皆、下を向いており、閉じ気味に花を咲かせています。色合いも地味で、おとなしい印象ですね。
撮影 : 北海道標津郡 2010年5月31日
科 |
ユリ科 |
属 |
バイモ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
多年草、球根植物 |
標準和名 |
エゾクロユリ |
漢字表記 |
蝦夷黒百合 |
学名/栽培品種名 |
Fritillaria camschatcensis (L.) Ker Gawl. |
RDB |
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花期 |
夏:5~8月 |
結実期 |
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原産地 |
日本 |
備考 |
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国内分布 |
本州(長野、山形、福島など)および北海道に分布する。 |
自生環境 |
海岸や林縁、草地に自生する。 |
補 足 |
高山で見られる2倍体を「ミヤマクロユリ」、北海道の平地で見られる3倍体を「クロユリ」または「エゾクロユリ」と報告された。 |
全体としては草丈が低く、これが高い方です
ここは環境が良いのか、密度高く自生していました
北海道標津郡 2010年5月31日
元来、道東では海岸沿いに春から花を付けます。本州中部付近で見られるミヤマクロユリの自生状況とはまるで異なるものですね。
1935年、松浦一博士により2倍体の矮小型と3倍体の巨大型が自生していると報告されました。高山で見られる2倍体を「ミヤマクロユリ」、北海道の平地で見られる3倍体を「クロユリ」または「エゾクロユリ」と呼んでいるそうです。