ツマトリソウ
	(褄取草、サクラソウ科→ヤブコウジ科)---
	 Trientalis europaea
	 L. ---
	
	
	
		
		
	         皆で山道を(きょろきょろしながら)ゆっくり歩いていますと、比較的乾燥した路傍のところどころで現れる白い花がありました。ツマトリソウというそうです。「妻」ではなく「褄」を取ると書きます。
	         少し幅が広めの披針形をした葉を持っており、低木っぽい雰囲気もありますが、多年草とのことでした。花弁はキク科の植物のように風ぐるま然と7枚がくるりと並んでいます。全ての花ではないのですが、花弁の先端部(褄)が少し濃くなったグラデーションになることがあります。
		 このような花弁の色変化が『鎧の威色目(おどしいろめ)の一種である褄取りに似ている』ことが命名の所以だそうです。これって、山野草の名前として庶民の一般認識に合致するのか、つまり、誰にでも「なるほどね!」と通じるのかというと、どうも説得力がありませんね。
		 がんばって探すと『褄は着物の端のことで、花や縁の色合いが着物の褄を取り、裏地の色が見える様子』とした少し違う説明も見つけました。少し庶民的になってきましたね。「隈取模様のように花の縁が色づくこと」が分かりやすい印象ですが、「隈取模様」って何でしょうか。歌舞伎で有名な化粧のこと・・・?判然としません(諸説ありです)。
		
		撮影 : 長野県下高井郡 2022年6月18日
	 
	 
	
    
        | 科 | 
        サクラソウ科→ヤブコウジ科 | 
        属 | 
        ツマトリソウ属 | 
    
    
        | 分類体系 | 
        APG | 
        属性(生活型) | 
        多年草、高山植物 | 
    
    
        | 標準和名 | 
        ツマトリソウ | 
        漢字表記 | 
        褄取草 | 
    
    
        | 学名/栽培品種名 | 
        Trientalis europaea L.      | 
        RDB | 
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        | 花期 | 
        初夏:6~8月 | 
        結実期 | 
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        | 原産地 | 
        日本、北米、欧州 | 
        備考 | 
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        | 国内分布 | 
        国内では北海道から本州、四国、海外では北米、欧州、シベリアから東アジアに分布する。 | 
    
    
        | 自生環境 | 
        高山や亜高山帯の半陰地、林縁に自生する。 | 
    
    
        | 補 足 | 
        花弁と雄しべが7個、キク科の植物のように放射状に並ぶ。分類が変化している種で、サクラソウ科オカトラノオ属、ヤブコウジ科ツマトリソウ属などとも説明される。 | 
    
	
	
	
		
		こちらの個体は花弁全体が白く、縁側に色づいた部分はないようです。
	 
	
		
		きれいに並んだ花弁を上から見てばかり、裏側を見ていないままでした。
		長野県下高井郡 2022年6月18日
	 
	
		
		
		こちらは、花弁の縁が、ほんわかと薄紅色ですね。
		長野県下高井郡 2023年6月10日
	 
	
	
		
		
		花弁の縁は白いままですが、花弁の数が8名と多めです。
		北海道岩内郡 2024年6月13日
	 
	
	
		
		
		2,000m級の草原で見かけました。自生数は多くありません。
		長野県松本市 2025年6月9日