お正月の遊び、羽子板の羽根のような形をした紫色の実が生っています。 「これは何かな?」 花を見れば分かる方も多いと思いますが、クマツヅラ科のクサギ(臭木)です。 臭い木ですから、葉や枝を擦ったりしますと、薬品風な臭気がします。 それにしても、ちょっと可哀想なネーミングですよね。 それから、書籍等で先入観を持ってしまうと損ではないでしょうか。 夏に咲かせる白から薄桃色の花はなかなかかわいいのですよ。 葉なの雰囲気はモクセイ科の羽衣ジャスミンに似ていますね。 甘い芳香があり、周囲をアゲハチョウが飛び交っている姿をよく見掛けます。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Clerodendron trichotomum" ● 原産 : 中国、日本、台湾、朝鮮 ● 分類 : クマツヅラ科クサギ属 夜間も芳香が絶えないのか、スズメガの仲間が訪ねて来るそうです。 萼が明るい赤紫色で花の淡い色とのコントラストがとても良い感じですよ。 繰り返しますが、先入観というかイメージで見てはいけません。 今回はたくさんのユニークな形の実が写っている写真を持ってきました。 赤紫色の萼は、花期より少し大きくなって残っているようです。 丸い群青色の実とのコントラストが、これもまた和風で良い感じですよね。 有用な植物で、果実は浅青色の染料として煮染めで用いられます。 乾燥させた葉や小枝は高血圧やリュウマチ等に効用があるそうです。 強い殺菌作用もあって、腫れ物を洗浄する塗布剤になります。 更に、 新芽は山菜として茹でたり天ぷらにして食用にするとか。エライ!