鮮やかな橙の穏やかな花 フシグロセンノウ(節黒仙扇)
鮮やかな橙色の花が、夕焼けを照り返すように咲いています。 「これは何かな?」 夏の木陰に咲くフシグロセンノウ(節黒仙扇)です。 和名は茎の節が太くて黒褐色になることからと説明されています。 節が太いのは事実ですが、黒褐色を帯びない個体も多いように思います。 (節黒仙翁)という漢字が当てられている資料も少なくありません。 最後が「扇」か「翁」か、ということですね。 命名の由来に「京都の仙扇寺」が登場しますので、「扇」ではないでしょうか。 ピーカンの湿原で、少し距離のある場所から撮影しました。 もう少し可愛らしく撮れたら良かったですねぇ (f^^) 。 (ちょろっと、蘊蓄) ● 学名 : "Lychnis miqueliana" ● 原産 : 日本(分布:本州、四国、九州) ● 分類 : ナデシコ科センノウ属 田中澄江さんの「花の百名山」は書籍でもビデオでも良く見掛けます。 その雲取山編で「ナデシコが好き」と語ったとのこと。 そのナデシコの中でもフシグロセンノウが好きなのだそうです。 確かに、派手な色に反して、穏やかに心を惹きつけるものがあります。 最初に遭遇したのは、二輪で峠を越えている時でした。 新緑の草たちの中で、オレンジ色の花がさいていたのです。 その時は園芸種が逃げ出したのだろうと思いました。 でも、園芸種にしては不思議な静かさを持った植物です。 後日、調べてみて、野草であることが分かりました。 この花、好きです。 夏、山道を走る時、目が無意識にオレンジの花を探していることがあります。