オオバナノエンレイソウ
(大花延齢草、ユリ科)---
Trillium amabile
Ker Gawl. ---
「大柄なミヤマエンレイソウだなぁ!さすが、北海道だ」という程度の認識でした。これは、その名もオオバナノエンレイソウでした。白くて大きい花びら(内花被片)があって、草丈は80cmに近いものも見られました。
道南の函館から室蘭、道東の根室から釧路と、どこを走っても路傍に目につきました。おそらく、北海道のエンレイソウの仲間ではオオバナノエンレイソウの個体数が一番多いのではないかと思いました(未確認)。
撮影 : 北海道根室市 2010年6月2日
ユリ目の分類群で、従来の新エングラー体系やクロンキスト体系等でユリ科に含められていた植物群の一部が、APG植物分類体系ではシュロソウ科に再編成された。
科 |
シュロソウ科 |
属 |
エンレイソウ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
多年草 |
標準和名 |
オオバナノエンレイソウ |
漢字表記 |
大花延齢草 |
学名/栽培品種名 |
Trillium kamtschaticum Pall. ex Pursh |
RDB |
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花期 |
春:5~6月 |
結実期 |
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原産地 |
日本 |
備考 |
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国内分布 |
北海道と本州の一部に分布する。 |
自生環境 |
山地の湿った林下などに自生する。 |
補 足 |
花には緑色の外花被片(がく片)が3枚、白色の内花被片(花弁)が3枚、少し上向きに咲く。 |
湖や海岸線の湿地などには、当たり前の様に群生していました。
北海道根室市 2010年6月2日
湖や海岸線の湿地などには、当たり前の様に群生していました。
北海道根室市 2010年6月3日
北海道函館市 2010年5月10日
北海道根室市 2010年6月3日
北海道岩内群 2024年6月14日
北海道岩内群 2024年6月13日
北海道岩内群 2024年6月14日 alt.=750m
エンレイソウは近縁種間で自然交雑種を作りやすいという情報がありました。オオバナノエンレイソウとミヤマエンレイソウの組み合わせでシラオイエンレイソウ、同じ組み合わせでカワユエンレイソウ、ミヤマエンレイソウとエンレイソウの組み合わせでヒダカエンレイソウが知られています。ところで、やはりトカチエンレイソウという自然交雑種が北海道で知られているのですが、オオバナノエンレイソウとエンレイソウの組み合わせだと言われます。では、オオバナノエンレイソウと同じ両親の組み合わせですよね。変異も多いそうで、同定には難しい面があるのだろうと思われます。
兵庫県神戸市 2022年4月20日 六甲高山植物園にて(元来の自生地ではない)