エゴノキ
(野茉莉・斉墩果、エゴノキ科)---
Styrax japonica
Siebold et Zucc. ---
かわいらしい丸い実をたくさん付けた形の良い樹木です。初夏に花を咲かせるエゴノキで、白花の野生種と赤花の園芸種があります。その赤花種が街路樹として利用されているのを見ました。実の薄緑色の堅い部分が割れ、中から焦げ茶色の種子が覗いています。
落葉小高木に分類されますが、余り大きな樹木は見たことがありません。加工しやすく丈夫な木材なので、算盤の玉、傘のろくろ(轆轤=上端)、将棋の駒、こけしなどの材料に用いられるのだそうです。
ドイツ人医師であり、エゴノキの学名命名者であるシーボルトは、著書「フローラ・ヤポニカ(日本植物誌)」でエゴノキを「日本の低木の中でも最も美しいものの一つ」と紹介しています。
撮影 : 千葉県船橋市 2011年10月3日
科 |
エゴノキ科 |
属 |
エゴノキ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
落葉小高木、有毒植物 |
標準和名 |
エゴノキ |
漢字表記 |
エゴの木 |
学名/栽培品種名 |
Styrax japonica Siebold et Zucc. |
RDB |
|
花期 |
春から初夏:5~6月 |
結実期 |
夏から秋:7~10月 |
原産地 |
日本、中国 |
備考 |
|
国内分布 |
ほぼ全国に分布している。その他、中国および朝鮮半島に分布する。 |
自生環境 |
山地、丘陵の雑木林などで見られるが、どちらかというと水分のある沢沿いなどに多い。 |
補 足 |
別名:チシャノキ(萵苣の木)、ロクロギ(轆轤木)、Japanese snowbell、果皮にエゴサポニンが含まれ、石鹸の代用にした。また、麻酔作用があり、川漁に利用した。命名者はシーボルト。 |
一般的な白い花ですが、開花の直前です
イルミネーション電飾球みたいですね
千葉県船橋市 2011年5月5日
新しい道路の街路樹に採用されたようです
植えたばかりなのに、こんな多くの花が咲きました
千葉県船橋市 2011年5月19日
夏になり、琥珀色の果実が実りました
普通、実は一個ですが、双子もあります
あまり大きくない樹木に驚く程多くの果実が垂れ下がります
千葉県船橋市 2011年10月3日
英語の俗称 "Japanese snowbell" は、花か実の様子から来たのでしょうね
千葉県船橋市 2011年10月3日
夏になり(2012年)、エゴノキの果実を見に行ったら、なんと全くありません。そう言えば、春に花を見たかな…。こんなこともあるのですね。
この不思議なものは?調べてみましたら、エゴノネコアシフシと呼ばれる虫こぶであることが分かりました
千葉県船橋市 2013年7月2日
エゴノキには幾つかの虫こぶ(虫えい)が知られているそうですが、このエゴノネコアシフシは良く知られており、猫の足に似ているので、このような名前が付いたのだとか。でも、植物の一部がどうしてこんな形に成長するのでしょうね。
千葉県船橋市 2019年5月19日千葉県船橋市 2017年5月20日「ピンクチャイム」