ゴマ
(胡麻、ゴマ科)---
Sesamum indicum
L. ---
余り目にしない農作物ですが、それもそのはず、日本では消費量の99%を輸入している状態だとか。国内の栽培農家は奄美群島に所属する島などに集中しているのだそうです。実際は、東北北部などでも主に黒ごまが栽培されていますが、収量が多くはないのでしょうね。
ホタルブクロに似た、なかなか洒落た花が咲きます。薬になるのか否かはわかりませんが、健康食品とされ、近年はセサミンが注目されています。
ゴマの近縁種は45種程あるとされますが、食用になるのは1種のみです。それが、古代メソポタミア文明のバビロニアやアッシリア、古代エジプト文明などで広く長く栽培されてきた過程で、多彩な栽培品種に分かれていったと知って驚きました。
分かり易いのは種子表皮の色で黒ごま、白ごまなどに分かれる点ですが、分枝が多い型と一本立ちする型、花が一つずつ咲く一朔型と三つずつ咲く三朔型、蒴果の子房内部の室の数も「2心皮4室型」と「4心皮8室型」があり、稀に「3心皮6室型」があるそうです。
上の写真は一本立ちする一朔型、2心皮4室型ですね。おそらく、白ごまだと思われます。
撮影 : 千葉県佐倉市(栽培) 2022年8月27日
科 |
ゴマ科 |
属 |
ゴマ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
一年草 |
標準和名 |
ゴマ |
漢字表記 |
胡麻 |
学名/栽培品種名 |
Sesamum indicum L. |
RDB |
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花期 |
初夏:6~7月 |
結実期 |
秋:9月 |
原産地 |
アフリカ |
備考 |
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国内分布 |
国内では滅多に栽培されていません。主にアフリカからインドあたりまでの温かい地域で栽培されています。 |
自生環境 |
ナイル川周辺に同属が多いそうです。 |
補 足 |
ナイル川流域では5,000年以上前から栽培された記録があるとされます。 |
住宅地に立地している大学の薬学部所属の薬草園で撮影したゴマの花です。
千葉県船橋市(栽培) 2005年7月30日
セサミなどと呼ばれています。アラビアンナイトに登場する合言葉「開けゴマ!」は、英語劇では「Open Sesame!」と大声で唱えられていますが、ウィキペディアの記載をチェックしていましたら、アラビア語ではずいぶん印象が違う言葉であることが分かり、あららーと落胆したものです。
全体の様子が、夏の野山に咲くオドリコソウ(シソ科)に似ていますね。
朔果が実りつつある横で、葉っぱを食べちゃうヤツが、同化しきれない程の大きさになっています。
千葉県佐倉市(栽培) 2022年8月27日
できるだけ目立たない写真に混ぜていますが、苦手な方はゴメンナサイ。このコはシモフリスズメガ(霜降雀蛾)の幼虫だろうと思われ、ゴマ等が食草筆頭ですから、栽培農家は7~8月に駆除スケジュールを設定するような存在だそうです。寒冷地ではメンガタスズメ、暖地ではシモフリスズメが多いとの説明がありました。