クロマダラソテツシジミ ~北上を繰り返しながら、越冬に至らない迷蝶~
クロマダラソテツシジミ
撮影地 : 千葉県八千代市 撮影日 : 2024年10月24日(高温期型)
分 類 チョウ目シジミチョウ科
学 名 Luthrodes pandava(Chilades pandava) Horsfield, 1829
和 名 クロマダラソテツシジミ (黒斑蘇鉄小灰蝶)
概 説 南方系の蝶で、日本国内では1992年に沖縄本島で初めて確認。沖縄でも「迷蝶」として扱われており、現在の報告を見る限り、本州などでは越冬できないとされている。つまり、驚いたことに、関東まで飛んで来ていることになります。
分 布 南西諸島、本州や四国、九州に分布。(* 南アジアから東南アジアの熱帯,亜熱帯に分布するとされていた。)
雌 雄 翅の表が異なり、雄は全体が光沢のある青紫色、雌は青色部が小さい。
大きさ (開帳)24~32mm、体長約10mm
食 草 ソテツ属の若葉
世 代 (情報不足)
越冬態 蛹(ただし、温帯域では越冬できず、冬季に蛹態で死亡、羽化できないとされている)
その他 生育気温は卵を含めて15℃以上、5℃以下では蛹も死滅するとされる。
クロマダラソテツシジミ
小さい蝶で、中望遠で覗いている時、翅の表側の青紫色でヤマトシジミと勘違いしていた
撮影 : 千葉県八千代市 2024年10月24日
ウラナミシジミ
こちらは尾状突起があるウラナミシジミ
撮影 : 千葉県茂原市 2004年10月11日

 ソテツに卵を産み、新芽を食草とする蝶。食欲は旺盛で、ソテツに虫害が及ぶレベルと言われる。1992年に、沖縄で初めて確認され、その後、2000年代には九州、四国から本州で見られるようになった。風に乗って飛来するとされ、繁殖を繰り返すが、越冬することはできない。
 同じ南方系の蝶であるウラナミシジミと似て、裏翅が薄茶色で、尾状突起がある。ただ、裏翅の柄が異なり、迷うことはないと思われる。ウラナミシジミの方は、西日本でほぼ通年観察され、秋までに世代を重ねながら、北上して関東にたどり着くが、やはり、越冬はできない。
2024/10/27


(つぶやきの棚)徒然草

 (2024/10/27) Latest Update 2024/11/21 [385KB]


ページのトップへ戻る