ツユクサ
(露草、ツユクサ科)---
Commelina communis
L. ---
二枚貝の様な苞(総苞)の間に複数の蕾があり、紫色のミッキーマウスの耳の様な楽しげな花が、一つずつ、順番に咲き出します。綺麗な瑠璃色の2枚の花弁(上弁)が大きく、下側に白く小さな一枚の花弁が隠れるように咲きます。一日花で午後になるとしぼみ始めます。因みに、英名は"Day flower"だそうです。そのまんまですね。子供の頃に、染物やままごとに使った親しみのある雑草というところでしょう。
夏に咲くイメージですが、花期はとても長く、早春から晩秋まで、真冬以外には花を咲かせている姿を見ることができます。一般には「両性花」ですが、時折、雌蕊のない「雄花」も見られます。
撮影 : 千葉県船橋市 2021年7月21日
科 |
ツユクサ科 |
属 |
ツユクサ属 |
分類体系 |
APG |
属性(生活型) |
一年草 |
標準和名 |
ツユクサ |
漢字表記 |
露草 |
学名/栽培品種名 |
Commelina communis L. |
RDB |
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花期 |
早春から晩秋:2~11月 |
結実期 |
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原産地 |
日本、東アジア |
備考 |
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国内分布 |
ほぼ日本全土で見られる。オセアニア、北米など広く分布する。 |
自生環境 |
湿った空き地や路傍、山地の疎林下などで見られる。 |
補 足 |
月草、蛍草、藍花、移草等、多くの呼び名がある。染料としても用いられるが、洗い落ちする。染物の下絵を描く染料として重用された。 |
これは?よく分からなくて調べたのですが、どうやら、萎んでしまった花と果実になる子房のようです。
撮影 : 千葉県船橋市 2021年7月31日
「雄蕊」が3種類6個もあります(以下、参照)。
一番上にある黄色い3個(X字形雄しべ)、中央にある大きめの1個(逆Y字形雄しべ)、下に垂れ下がる長い2個(O字形雄しべ)です。
そして、もう1個は長い雌蕊ですね。
撮影 : 千葉県船橋市 2021年7月31日
撮影 : 千葉県船橋市 2006年9月30日
草丈がかなり大きく、竹林に繁茂していました。
良く見ると、とても奇妙な花の姿ですね。
撮影 : 千葉県船橋市 1998年6月30日
露草の他に、月草、蛍草、藍花、移草等など、多くの呼び名があります。花期は長いのですが、秋の季語として古い時代から俳句に歌われました。午後には萎み始める儚い花の命を歌った俳句が多いとか。ところが、子孫を残すため、多くの花を咲かせる戦術を持ち、また、昆虫たちが受粉に訪れなければ、2本の長い雄しべが雌しべに絡みついて、確実に自家受粉を行います。