シソバキスミレ (紫蘇葉黄菫) オオバキスミレの変種とする説がある
植栽には不向きのようです。
翌年、芽は出ましたが、いつのまにか消失・・・!
栽培だからではなくて、自然界でも小さめです
千葉県 2004年4月24日 植栽
東京都 2011年4月9日 植栽
分類 |
キスミレ類 |
学名 |
基本種 |
Viola yubariana Nakai, 1922 : Bot. Mag. (Tokyo) 36: 31 & (53) |
変種 |
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品種 |
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異名 |
Viola brevistipulata var. crassiforia (Koidz.) F.Maek., 1917 : Bot. Mag. (Tokyo) 31: 139 |
由来 |
yubariana : 地名に由来する(夕張、夕張岳の) |
外語一般名 |
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茎の形態 |
有茎種 |
生育環境 |
蛇紋岩(苦鉄質岩)で湿気があって風の強い崩壊地に生育する。 |
分布 |
国内 |
北海道。夕張山系夕張岳特産。 |
海外 |
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補足 |
日本固有種。「北海道高山植物誌(佐藤謙)」では純日本固有要素と表現されている。 |
花の特徴 |
形状 |
中輪、ただ、全体の大きさに比べて小さめに見える。側弁の基部に毛が疎らにある。 |
色 |
山吹色と呼んだ方が良いような濃い黄色。唇弁に赤紫色の条が入る。 |
距 |
小さくて目立たない。 |
花期 |
高山性で遅い(自生地では6月下旬からから7月中旬)。関東の栽培環境では4月。 |
花柱 |
突起毛が見られる。 |
芳香 |
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補足 |
唇弁が小さい。花茎に微毛が目立つ。株当たり1から3個程度の花を付ける。 |
葉の特徴 |
形状 |
先が尖り、全体には丸みがある心形または卵形。脈に沿った凹みが見られる。 |
色 |
変異があるが、光沢のある肉厚で、表面は深緑色、葉脈 と裏面は赤みを帯びる。 |
補足 |
鋸歯 がシッカリ尖る。いがりまさし氏 が「日本のスミレ」で緑葉個体を紹介している。托葉は三角形。全縁。 |
種の特徴 |
形状 |
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色 |
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補足 |
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根の特徴 |
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絶滅危惧情報 |
環境省【絶滅危惧IA類(CR)】 、北海道:絶滅危惧Ⅰ類 |
基準標本 |
夕張岳(Ishikari, Mt. Yubarisan by H.Koidzumi)。 |
染色体数 |
2n=12 |
参考情報 |
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その他 |
従前はオオバキスミレの変種として扱われていた。茎、葉柄に短毛が密生する。
茎は赤く、草丈は低い(4~5cm)。茎生葉がロゼット 状に地表に貼り付くことが多い。
超塩基性岩(苦鉄質 火成岩)の礫地に生育する。
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自然の中で出逢うことが難しい種のひとつです。北海道の夕張山地等で見られるようですが、「絶滅危惧IA類」に区分され、近い将来に絶滅の危険性が極めて高いとされています。
1999/09/02
オオバタチツボスミレと同様、分類の位置付けが変わって学名認識が変更されました。従前の位置付けではオオバキスミレの変種とされていましたが、夕張特産の独立した固有種と理解されるようになった訳です。当時、異名(synonym)とされていたViola yubariana Nakai が正規の学名になったのですが、このパターンですと、どのタイミングで主従が入れ替わったのか捕まえにくいところです。
エゾキスミレがオオバキスミレの亜種
に編入されたケースのほぼ逆ということになります。確認できていませんが、「蛇紋岩変性によって種レベルまで分化した独立種」という説明が見られましたので、補足しておきます。
2009/11/11
気難しい性質であることが多いキスミレ類の中で、比較的育てやすいとされる。ただし、これは長期間の栽培で馴化された園芸品種を指して表現しているものと推測している。園芸流通している情報を多く見かける。
2012/01/14