ヴィオラ・オドラータ 'プリンセス・オブ・プルシア' - Viola odorata - 'Princess of Prussia'
2012年4月1日 植栽
2012年4月4日 植栽
分類 |
ニオイスミレ類 |
学名 |
基本種 |
Viola odorata L. Published in: Sp. Pl.: 934 (1753) |
変種 |
園芸品種(栽培品種):Viola odorata L. 'Princess of Prussia' (Lee, 1881) |
品種 |
異名 |
由来 |
odorata : 香りのいい |
外語一般名 |
母種に準ずる |
茎の形態 |
生育環境 |
分布 |
国内 |
海外 |
補足 |
花の特徴 |
形状 |
中輪。側弁に毛が見られる。 |
色 |
濃い青紫(光線によって赤紫色にも見える濃い色)。 |
距 |
短くて太い。 |
花期 |
気温の低い時期から開花する。 |
花柱 |
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芳香 |
甘い芳香に少し清涼感が混じっている。 |
補足 |
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葉の特徴 |
形状 |
母種に準ずる |
色 |
補足 |
種の特徴 |
形状 |
色 |
補足 |
根の特徴 |
絶滅危惧情報 |
基準標本 |
染色体数 |
参考情報 |
その他 |
ニオイスミレの選別品種ですが、情報が極端に少ないようです。期待して、Roy E. Coombs氏の "Violets: The History & Cultivation of Scented Violets"をめくってみたのですが、記載は(Lee, 1881) Purpleだけでした(笑)。
それならばインターネットの出番とばかり、検索してみますと、
という、そのものズバリが出てきたのですが、残念ながら、ロンドンのパブの名前でした。
その後、見つけたのは、右の油彩です。ビクトリア女王の委嘱により、1846年に描かれた作品で、「プロイセンの王女 オーガスタ : "Augusta, Princess of Prussia" by Franz Xaver Winterhalter (1805-1873)」と題されています。時代も近く、何らかの関連がありそうだと考え、掲載することにしました。ただ、「時代」で考えれば近いのですが、「世代」で考えれば、実際は2世代近い差があります。この方に男性の兄弟があれば、その男性が国王になったことでしょう。その国王の娘か、孫娘か、その時のプリンセスに捧げられた献名であろうかと勝手な想像を膨らませてみました(笑)。
因みに時期が合致するのは Princess Margaret of Prussia (Margarete Beatrice Feodora)9歳となるでしょう。
皇室でも同じようなことが行われており、美智子様が皇太子妃になられる時に「プリンセス・ミチコ」という薔薇が英国から贈られたことが有名になりました。記憶ではまずいので、改めて調べてみたところ、「エンプレス・ミチコ」、「プリンセス・アイコ」もあるようです。特に「プリンセス・アイコ」は京成バラ園の作出とあり、実は目にしたことがあります。
補足ながら、ここに油彩の複写を掲出していますが、ウィキペディアによりますと、原画について「著作権の保護期間が満了しているため、パブリックドメイン(公有)の状態にあります」との説明があり、かつ「パブリックドメインにある平面的な作品の忠実な複製はパブリックドメイン」とのことですから合法と理解して、少しドキドキしながら、利用させていただくことにしました。
出典として、(撮影著作権者/編集著作権者)を以下に記載しておきます。
"http://www.christies.com/lotfinder/franz-xaver-winterhalterbistrongemfont-portrait-of-augusta/5494150/lot/lot_details.aspx?intObjectID=5494150"
2012/04/04
園芸品種(栽培品種)名の表現
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園芸品種とは園芸的に優れた形質を持つ系統の保護を目的に作られ、種の分類項目の一つとみなされますが、独立した概念です。
表記としては"cultivar(cultivated variety)"を付す方法が用いられていました(一般に"cv."と略す)。
尚、複数形である"cvs."が使用される例は稀有であり、一語で複数の園芸品種を指し示す必要がある場合に限られます。
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従前は右のように表記されていました。 Viola odorata cv. 'Sulphurea' → Viola odorata 'Sulphurea'
1995年の国際栽培植物命名規約(ICNCP)では、学名欄の通り"cv."を記載しないことになり、旧表記法は廃止されました。
(2021年現在、国際栽培植物命名規約の最新版は第9版の2016年版 [ISBN 978-94-6261-116-0] です)
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園芸品種(栽培品種)を単に「品種」と呼ぶ例が散見されますが、分類項目の品種("f.")とは異質な概念なので、意識的に区別すべきでしょう。尚、栽培品種名は、正確を期すれば「学名」ではないのですが、便宜上、同様に扱われる例が多く、当サイトも同様です。
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